しかし国も医学界も、植松氏の理論を支持する人はほとんどいない。保険適用外なので、治療費もかさむ。そこで同クリニックでは、治療費が一定額を超えた場合や、治療後の定期的な診察などについては保険診療を適用する混合診療を行ってきた。
ところが2015年10月27日、九州厚生局鹿児島事務所により、「診療開始の時点で自由診療を行った場合、その後の医療行為はすべて自由診療で行うこと」との行政指導が入り、保険診療が中止となったのだ。
「最新治療については賛否両論だと思うよ。それぞれだからね。何もしないでも治っちゃう人もいるしね。
だって私のおばあさんなんか、今から、そうだね、うちの父親の妹が生まれたときだから――もう今その人が90いくつだから――今から90年ぐらい前に乳がんになって。それも、お乳を飲ませてるときに血が出てきたので、おかしいっていうので、それで、医者に行って、切って、それきり、抗がん剤も何も使わないけど、寿命を全うして、おばあさんになって死んでるのね。
だから、薬、抗がん剤のことをよく調べたほうがいいんじゃないのかなと思うけどね。ほとんど今、(医者は)抗がん剤を使わせるでしょう。私は医者じゃないからよくわからないけど、薬屋が儲かってるんじゃないの? っていう感じがしますよ」
2016年11月、樹木は『UMS』開業10周年のパーティーに出席した。「オンコロ卒業生」、つまりがんサバイバーの人たちが全国から300名ほど駆けつけたという。
「でも、死んでる人もずいぶんいるんじゃないかな…。だって、相当体が弱っちゃって、痛めつけられちゃって、さんざん、もう、あと、何にも方法がないっていうところで(UMSに)来ても、やっぱり(患者のほうに)回復する力がないからね。免疫力もなくなっちゃってるから。それにいくらピンポイントで他にあんまり影響がないっていったって、やっぱり、あるでしょうからね。あるっていうか、そこが治っても、また出てきちゃうからね。追いつかないのね、ピンポイントの照射では。だから、あそこに行っても助からない人もいるでしょう、随分…」