そして、トランプ氏が「米国第一主義」を掲げるというのであれば、日本はこの機会を利用して、これまで米国に対して物怖じしていたことを実行するべきだ。
すなわち、憲法を改正して、日本を真の自立した、正常な国家としなければならない。これこそまさに安倍首相が目標とする戦後レジームを脱却し、「新しいレジーム」を構築するための正しい一歩ではないだろうか。
集団的自衛権の行使容認や安保法制の整備などはその端緒とも言えるものだが、日本が今後、米国のみならず、フィリピンやオーストラリア、インドなどとの軍事関係を深めていくことで、台湾にも良い影響がもたらされることを期待している。
日本はかつて、国家存亡の危機にあたり、西洋文明と日本文明を融合させ、明治維新という世界史上例を見ない偉業を成し遂げて国難を乗り越えた。坂本龍馬のような若者たちが立ち上がり、リーダーとなって日本を導いたのである。
日本は今、明治維新以来、最大の改革をしなければならない状況に直面している。今こそ平成維新を起こさなくてはならないのだ。
そのために、国家の基本たる憲法をどう改正していくかが、現在の日本にとって大きな課題だ。ご存知のように、現在の日本国憲法は戦勝国米国が、日本を二度と米国に刃向かわないようにと押しつけたものだ。
その第9条では日本が軍事力を持つことを禁止している。そのため、戦後長らく、日本は米国に安全保障を委ねることになったが、もはや国際情勢は大きく変化している。こうした時代にあっては、日本も変わらなければならない。そして再生への階段を上らなくてはならないのだ。
日本が再生し、真の自立した国家として歩むことは同時に、アジア地域の平和と安定に繋がる。台湾をはじめとするアジア諸国は日本の再生を歓迎し、期待していることを日本人は知らなければならない。
※SAPIO2017年2月号