前期決算で過去最高益(純利益2兆3126億円)をあげたトヨタ自動車のPERは約14倍。昨今、欧米の有力企業を買収し世界から注目を浴びるソフトバンクグループは約10倍。それに対し、米国マイクロソフトは約30倍、グーグルに至っては約38倍だ(2016年12月27日時点)。
業種によって異なるが、一般的に15倍を下回ると割安と言われる。利益ベースで考えるとトヨタやソフトバンクの株価は、マイクロソフトやグーグルに比べて3分の1から4分の1の割安ということになる。
さらに今後予想される為替レートの変動も日本企業にとって好影響をもたらす。「強いドル」を掲げるトランプ次期米国大統領の登場で、為替市場では1ドル=110円台後半へと急速に円安ドル高が進み、輸出企業の利益はこれから膨らんでいくことが予想される。
トヨタは2016年の下期為替レートを1ドル=100円に設定しているが、1円円安に振れるだけで利益が約400億円増えると試算される。同じく日産は120億円増、富士重工は98億円増になる計算だ。
こうした現状を加味すれば、世界の投資家たちが“日本買い”に走るのは当然といえる。
※週刊ポスト2017年1月13・20日号