国際情報

サムスングループ失墜すれば韓国経済崩壊、日本の支援必要に

韓国経済の先行きは?

 韓国の朴槿恵大統領は、親友である女性実業家の崔順実(チェスンシル)被告へ政府の機密情報を漏洩したスキャンダルで辞任の危機に追い込まれている。

 この政権スキャンダルは、韓国経済にも大きな打撃を与えた。

 韓国の特別検察官(特検)は1月16日、崔被告への出資をめぐる賄賂や横領などの疑いでサムスングループの事実上の経営トップであるサムスン電子副会長・李在鎔(イジェヨン)氏の逮捕状を請求した。疑惑の経緯は以下のようなものだ。

 サムスングループでは2015年7月、傘下企業であるサムスン物産と第一毛織の合併が決定。

「そのとき、サムスン物産の大株主で政府系の公団である国民年金公団がロビー活動を行なって合併がうまくいくよう動いた」(サムスン関係者)

 韓国事情に詳しいライターの河鐘基(ハジョンギ)氏が解説する。

「合併を成功させ盤石な経営基盤を築こうとするサムスンが、政府が便宜を図ってくれたことの見返りとして政権に近い崔被告が私物化していたとされるミル財団とKスポーツ財団に計204億ウォン(約20億円)を拠出した。検察は贈賄に当たると判断したのです」

 19日にソウル中央地裁は逮捕状請求を棄却したが、サムスングループが合併に関して政府の助けを仰いでいてもおかしくはない。グループがかつての勢いを失い、不振にあえいでいる事情があるのだ。

 サムスングループの中核企業であるサムスン電子は2016年7~9月期は売り上げが前年同期比で96%減。これには昨年夏に発火事故が相次いだスマホ販売の不振が大きく影響している。

 売り上げが韓国のGDPの8割近くを占める10大財閥のトップであるサムスングループの失墜は、韓国経済の崩壊を意味する。

 そうなれば、日本からの経済的支援も必要になるが、ソウルの日本大使館前の慰安婦像が撤去されぬばかりか釜山の日本領事館前に新たな像が設置され、さらには「竹島に慰安婦像設置」の計画が持ち上がるなど、慰安婦問題がここまでこじれていては望むべくもない。

※週刊ポスト2017年2月3日号

関連記事

トピックス

被害男性は生前、社長と揉めていたという
【青森県七戸町死体遺棄事件】近隣住民が見ていた被害者男性が乗る“トラックの謎” 逮捕の社長は「赤いチェイサーに日本刀」
NEWSポストセブン
体調を見極めながらの公務へのお出ましだという(4月、東京・清瀬市。写真/JMPA)
体調不調が長引く紀子さま、宮内庁病院は「1500万円分の薬」を購入 “皇室のかかりつけ医”に炎症性腸疾患のスペシャリストが着任
女性セブン
学習院初等科時代から山本さん(右)と共にチェロを演奏され来た(写真は2017年4月、東京・豊島区。写真/JMPA)
愛子さま、早逝の親友チェリストの「追悼コンサート」をご鑑賞 ステージには木村拓哉の長女Cocomiの姿
女性セブン
1980年にフジテレビに入社した山村美智さんが新人時代を振り返る
元フジテレビ・山村美智さんが振り返る新人アナウンサー社員時代 「雨」と「飴」の発音で苦労、同期には黒岩祐治・神奈川県知事も
週刊ポスト
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
【視聴率『愛の不時着』超え】韓国で大ヒット『涙の女王』 余命宣告、記憶喪失、復讐など“韓国ドラマの王道”のオンパレード、 華やかな衣装にも注目
【視聴率『愛の不時着』超え】韓国で大ヒット『涙の女王』 余命宣告、記憶喪失、復讐など“韓国ドラマの王道”のオンパレード、 華やかな衣装にも注目
女性セブン
公式X(旧Twitter)アカウントを開設した氷川きよし(インスタグラムより)
《再始動》事務所独立の氷川きよしが公式Xアカウントを開設 芸名は継続の裏で手放した「過去」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
女性セブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
「ホテルやネカフェを転々」NHK・林田理沙アナ、一般男性と離婚していた「局内でも心配の声あがる」
NEWSポストセブン
タイトルを狙うライバルたちが続々登場(共同通信社)
藤井聡太八冠に闘志を燃やす同世代棋士たちの包囲網 「大泣きさせた因縁の同級生」「宣戦布告した最年少プロ棋士」…“逆襲”に沸く将棋界
女性セブン