毎月分配型投信が脚光を浴びたきっかけは、1997年に設定された「グローバル・ソブリン・オープン」(通称・グロソブ)だ。先進国の債券など信用度の高い投資先に加え、毎月の分配金という“お得感”でたちまち人気商品となった。しかしその後、毎月分配型投信の内容は大きく変わったと経済評論家の山崎元氏は指摘する。
「リーマン・ショック後の世界的な金融緩和で低金利の時代となり、普通の債券のみでは必要な利回りが出ず、ブラジル・レアルなど新興国の通貨建ての商品や海外リート(不動産投資信託)、ハイ・イールド債など、ハイリスクなものを組み入れる投信が増えました。今はデリバティブを組み合せるなど、投資対象がさらに複雑化しています」
こうした状況のなかで、山崎氏はこう断言する。
「毎月分配型は毎月決算を行なう。運用利回りがプラスなら毎月の配当のたびに税金がかかるうえに、利回りに関係なく他の商品に比べて割高な手数料がかかる不利な商品です。実際、毎月分配型投信のうち8割が元本を取り崩して分配金に回しているとされていますが、当然でしょう。買い値より下がっていてもすぐ手放すのが正解。同時に、この商品を勧めてきた人とも縁を切ることが肝心です」
※週刊ポスト2017年2月3日号