――ということは、非公式ながら自民党から公認を得られるという話はあったということですね。公認が得られないという話を2週間前に言われていれば、芸能界を引退しなかった?
嶋:そうなりますよね。なにもかも捨てて引退したので、ぼくにはなにも残りませんでした。人を信じられなくなって、半年くらい何もできませんでした。対人恐怖症になりました。
――出馬については、周りの方に相談しましたか?
嶋:詳しくは話せませんが、芸能界の先輩や政治に携わっているいろんな方に相談しました。
――自民党の公認見送りとなった理由は?
嶋:あの日は議員会館に呼び出されました。そして、ある議員さんに「今回は、芸能人はいらなくなりました」と言われたんです。「今回はご縁がなかったということで」と言われて、おしまいです。目の前が真っ暗になりましたね。
――嶋さんが芸能人だということは、初めからわかっていたことなのに。
嶋:なぜ急に方針が変わったのかはわかりません。ちゃんと歩けているのか、というぐらいの放心状態でした。何を言われたのか、何が起こっているのかわからないくらいの精神状態で、現実を理解するのに時間がかかりまました。自分が政治に真剣に取り組んでいくという決意を、今までいた芸能界を引退するという形で皆様にわかってほしいという強い思いで臨んだ結果がまさかこうなるとは思いませんでした。
その後も大変でした。家に嫌がらせの手紙とか、無言電話とかいっぱいかかってきたんです。家族にも迷惑をかけてしまって、申し訳なかったです。出馬のことは、初めから妻に反対されていましたから。自分がしでかしたことは大変なことなんだなって。
――無所属で出馬することは考えなかったのですか?