芸能界復帰を応援する声も多かったというが…
嶋:政治の実績のないぼくが、なんの後ろ盾もないまま出馬することは考えられませんでした。
――それから約2年3か月が経ち、芸能界に戻ってきました。
嶋:みんなに「お帰り」と言ってもらえました。もちろん、歓迎ばかりじゃありませんでしたよ。「出馬すると言って辞めたのに、のこのこ戻ってきやがって、なにが男の勲章だよ」と言う人もいっぱいいました。その言葉も、重く受け止めています。でも、「そんなの関係ねえよ」と迎えてくれる人も、いっぱいいました。ぼくは一時期、人間不信にまで落ちていましたが、そういう温かい言葉が心の鍵を開けてくれて、今があるんです。
――今後の目標をお願いします。
嶋:PPAPみたいに、世界に届く何かを残せたらいいな…というのは冗談ですけど(笑い)。いいお芝居をしたいし、いい楽曲に出会えたらまた歌いたいですし。
30年くらい前にスーパー戦隊シリーズの『超獣戦隊ライブマン』(テレビ朝日系)の主演と主題歌をさせていただいていたんです。それで今年、久しぶりにイベントで歌ったんですけど、たくさんの人が待っていてくれたんですよ。嬉しかったですね。
思えば、元々不良キャラでデビューして、「なにがスーパーヒーローのレッドだよ」という声が、当時から聞こえていました。ぼくは紆余曲折の人生です。誰からも愛される役者になれるとは思っていません。でも、「あいつ、いいじゃん」って思ってもらえるような役者でありたいと思っています。
【嶋大輔(しま・だいすけ)】
1964年5月22日生まれ。横浜市出身。1981年、ドラマ『茜さんのお弁当』(TBS系)で俳優デビュー。翌年『男の勲章』が70万枚の大ヒットを記録し、歌手・俳優として幅広く活躍。2013年4月に芸能界を引退。2015年7月に芸能界に復帰した。
撮影■浅野剛