「ここ何十年かで女性の自立がずいぶんと進みましたからね。誰かによりかかる必要がない。先輩たちも楽しそうだから、そんなに怖くないんですよね。私も世間の目に傷ついたりしてるけど、3人娘たちを見てると共感するとともに『ガンバレ!』って思います」

 ニッチェの2人は、それぞれが既婚、独身生活を選んで謳歌しているが、全部のおいしいところをまんべんなく求めると、「選べない」という現実に直面してしまう。

「今のアラサー世代は、少女漫画で育ち、上の世代の女子高生ブームで女の子の力強さを知りました。大人になって先輩主婦の読む雑誌を見たら、『女であり、妻でもあり、私でもある』とうたっていた。そういうちょっと上世代を見て、なんでも手に入れたいと思った部分はあるでしょうね。選択肢が多いからこそ、なんでも経験してみたいし、結局選べないという悩みもあるのではないでしょうか」(助宗さん)

『タラレバ娘』でも、ヒロインの倫子は年下のイケメンモデルのKEYに恋し、香も元カレでブレーク中のバンドマンの2番目の彼女になり、小雪も妻子のあるサラリーマンと不倫中だ。女子のエンタメに明るいライターの西森路代さんはこう話す。

「頑張り屋の女の子は、勉強でも仕事でも、ちょっと高い理想を掲げて、それを実現していくことが喜びになるタイプも多いはず。そうすると、結婚をしたいと言いながらも、平凡な恋愛では満足できず、つらくても恋をしている実感のある恋愛をしてしまうこともあるのでは」

 果たして30代独身の娘たちは悩んでいるのか、幸せなのか、『タラレバ娘』を見れば、少しは彼女たちの気持ちがわかるかもしれない。

「『タラレバ娘』を見れば、親世代が思っている以上に娘たちは考えているし、人生を楽しんでいるのがわかると思います。家で会話するときも、『あなたまだ結婚しないの?』より『あなた今何が楽しいの?』と質問をすると関係がスムーズになるかもしれません」(助宗さん)

※女性セブン2017年2月2日号

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