ライフ

弘兼憲史氏 「60歳を過ぎたら友人は半分でいい」

漫画家の弘兼憲史氏が提言

「黄昏流星群」「島耕作シリーズ」などで知られる漫画家の弘兼憲史氏(69)は、定年後の生き方として「人生の整理」を説いている。その要諦とは。

 60歳は、人生の起承転結の『結』に突入する年齢──そう位置づける弘兼氏は、納得のいく結末を迎えるために、早めの準備が必要だと言う。

「60歳まで生きてきたら、誰しも家のローン、仕事や人間関係など色んなものを抱えています。残りのそう長くはない人生を大きな荷物を抱え込んだまま過ごすより、手ぶらで、身軽に生きたほうがいいと私は思うのです。

 とはいえ、現実的には持っているもの全部をバッサリとは捨てられない。だけど、“半分”に減らすことはできるはずなんです」

 自らも60歳を過ぎて「身辺整理」を始めた弘兼氏は、「持ち物を半分にしよう運動」として、様々なものを処分したという。昨年11月には『弘兼流 60歳からの手ぶら人生』(海竜社)を上梓し、サラリーマン時代の名刺やスーツなどの持ち物を半分捨てることに加えて、「人間関係」についても身軽になることを勧めている。

「友人が多い方が豊かな人生だと思っている人は多いのですが、60歳からは、信頼できる友人がほんの少しいればいい。友人が多ければ、それだけ付き合いに時間を割かれます。基本的に人間関係はギブ・アンド・テイクで成立するものだから、何かをしてもらうと返さなければなりません。表面だけの付き合いの友人は減らした方がいいと思います」

 若い頃は友人の多さが仕事などで有利に働くこともあるが、60歳になるとむしろ負担になるという。

 弘兼氏は、10年前から年賀状のやり取りをやめた。慌ただしい年の瀬に時間を割くよりも、有意義に過ごしたほうがいいと言う。

「ずっと会いもしない友人とのやり取りは時間もお金も負担になるだけです。60代以上の世代にはやめにくい習慣で、送ってこないと『嫌われちゃったかな』と心配になるし、送ってこられたら『返さなきゃ』となってしまうので、無意味に続いてしまう。

『もう、こういうやり方は今日的ではないので、お互いの負担もあるからやめましょう』と言っていいと思います。案外、相手も同じ気持ちだったりするものです。それで切れる関係だったら、“減らしていい友人”だったということでしょう」

 友人の存在は自分との比較対象になりやすく、時として妬みや嫉みといったネガティブな感情を生み出す原因になりがちだ。弘兼氏は「60になってからそんなものを感じても仕方ない」として、悩みの種を取り除くことを勧める。

※週刊ポスト2017年2月3日号

関連記事

トピックス

西城秀樹さんの長男・木本慎之介がデビュー
《西城秀樹さん七回忌》長男・木本慎之介が歌手デビューに向けて本格始動 朝倉未来の芸能事務所に所属、公式YouTubeもスタート
女性セブン
有村架純と川口春奈
有村架純、目黒蓮主演の次期月9のヒロインに内定 『silent』で目黒の恋人役を好演した川口春奈と「同世代のライバル」対決か
女性セブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
離婚のNHK林田理沙アナ(34) バッサリショートの“断髪”で見せた「再出発」への決意
NEWSポストセブン
フジ生田竜聖アナ(HPより)、元妻・秋元優里元アナ
《再婚のフジ生田竜聖アナ》前妻・秋元優里元アナとの「現在の関係」 竹林報道の同局社員とニアミスの緊迫
NEWSポストセブン
小泉氏は石破氏に決起を促した
《恐れられる“純ちゃん”の政局勘》小泉純一郎氏、山崎拓氏ら自民重鎮OBの会合に石破茂氏が呼ばれた本当の理由
週刊ポスト
大谷翔平(左/時事通信フォト)が伊藤園の「お〜いお茶」とグローバル契約を締結したと発表(右/伊藤園の公式サイトより)
《大谷翔平がスポンサー契約》「お〜いお茶」の段ボールが水原一平容疑者の自宅前にあった理由「水原は“大谷ブランド”を日常的に利用していた」
NEWSポストセブン
かつて問題になったジュキヤのYouTube(同氏チャンネルより。現在は削除)
《チャンネル全削除》登録者250万人のYouTuber・ジュキヤ、女児へのわいせつ表現など「性暴力をコンテンツ化」にGoogle日本法人が行なっていた「事前警告」
NEWSポストセブン
撮影現場で木村拓哉が声を上げた
木村拓哉、ドラマ撮影現場での緊迫事態 行ったり来たりしてスマホで撮影する若者集団に「どうかやめてほしい」と厳しく注意
女性セブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン