うま味成分は、さまざまな食材に含まれているが、その量が圧倒的に多いのは3つ。昆布のグルタミン酸(煎茶の約10倍)、かつおぶしのイノシン酸(牛肉の約8倍)、干ししいたけのグアニル酸(帆立貝の約10倍)だ。どれも乾燥させてあるのが特徴。
「乾燥させると素材の細胞が壊れ、アミノ酸や核酸が抽出しやすくなる。つまり、うま味成分が出やすくなるのです」(二宮さん)
◆だしは消化をうながす
「うま味成分を口にすると、唾液が長く分泌されやすくなります」(二宮さん)
梅干しを食べた時も唾液は出るが、酸味による唾液はサラサラで水っぽく、すぐに出なくなる。しかし、うま味を感じて出る唾液は、ネバネバしていて口の中に長く残り、分泌量も多い。そのため、食べ物をのみ込みやすくし、消化をうながす。
◆昆布とかつおぶしを合わせるとうま味が7~8倍に!?
合わせだしといえば、よく知られる組み合わせが「昆布とかつおぶし」。これには理由があった。
「昆布のグルタミン酸とかつおぶしのイノシン酸が合わさると、うま味が約7~8倍強くなります」(二宮さん)
これを、うま味の相乗効果といい、グルタミン酸とイノシン酸の量が1:1の時に最も強くなる。グルタミン酸とグアニル酸でも同じ効果がある。
※女性セブン2017年2月23日号