「全国から届いたがん患者からの激励の声と娘・貴子の“お父さん、健康が一番よ”の声が励みになりました。留学先のカナダから帰ってきた娘と一緒にいられたことが何より嬉しかった。“がんになって良かった”とさえ思ったほどです(笑い)。医師からは術後、“節制すれば大丈夫です”とだけ言われた。だから消化の悪いものは一切口にせず、腸の運動を活発化させるウォーキングやジョギングを日課としました」

 予後も順調で、がんを克服。だが、2010年には最高裁の上告棄却で有罪となり収監、同時に失職する。悪いことは重なるもので、その直前に受けた人間ドックで、今度は食道がんが見つかった。しかし不安や心配は一切覚えなかったという。

「2回目のがんは恐るるに足らず、でした。私にとってがんは“未知の恐ろしい病気”ではなくなっていましたから。2度のがんを経験・克服したから私が言えるのは、日本の優れた医療を信じることです。何より大事なのは早期発見。年に1回の定期検査は必ず受けてくださいね」

【プロフィール】すずき・むねお/政治家(新党大地代表)。1948年北海道生まれ。1983年初当選。国務大臣北海道開発庁長官、内閣官房副長官などを歴任。2010年9月、汚職事件により実刑判決確定で衆議院議員を失職。

撮影■ヤナガワゴーッ!

※週刊ポスト2017年2月24日号

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