国内

癌と戦った鈴木宗男氏「北方領土問題前進させずに死ねるか」

自身のがん体験を語る鈴木宗男氏

 医療の進歩により、がんになった後も以前と変わらぬ人生を送れる人が増えている。ところが依然として、世に出てくる闘病記は暗く過酷なものばかり。もっと明るく、あっけらかんと語ったっていいではないか。過去に胃がんと食道がんが見つかった政治家の鈴木宗男氏(69)はこう語る。

「がんと戦う日々を苦とも思わなかったのは、政治家としての使命感があったからです。“生涯政治家”を自負する私のライフワークが北方領土問題。“がんに負けて北方領土問題を前進させずに死ねるか”との思いが、がんを克服する原動力となった」

 そう話す鈴木宗男氏にとって、この15年ほどの出来事は、天国から地獄へと往復するジェットコースターのような日々だった。人間ドックを受診した際に胃がんが見つかったのは2003年9月。あっせん収賄罪などの容疑で逮捕され【※注】437日におよぶ勾留直後のことだった。

【※注/北海道開発局の工事や林野庁の行政処分をめぐり、不正に口利きした見返りに業者から現金を受け取ったとして、受託収賄やあっせん収賄など4つの罪に問われた汚職事件。2010年9月、懲役2年、追徴金1100万円の刑が確定。鈴木氏はいまだに冤罪を主張している】

「主治医から“悪性のスキルス胃がんで転移の可能性がある”と告げられ、“もう人生が終わった”と思い、ただ涙が出てきた。当時は55歳。政治家としては“もうダメかもしれない”と思ってしまったんですね」

 約5時間にわたる手術で胃の3分の2を摘出。幸い転移はなく、抗がん剤治療も不要だったという。手術の2週間後には、開腹手術の跡も生々しく残り、背筋を伸ばして歩くこともできないなか、「予後にいい」と聞いた温泉巡りに出た。

関連キーワード

関連記事

トピックス

長男・泰介君の誕生日祝い
妻と子供3人を失った警察官・大間圭介さん「『純烈』さんに憧れて…」始めたギター弾き語り「後悔のないように生きたい」考え始めた家族の三回忌【能登半島地震から2年】
NEWSポストセブン
古谷敏氏(左)と藤岡弘、氏による二大ヒーロー夢の初対談
【二大ヒーロー夢の初対談】60周年ウルトラマン&55周年仮面ライダー、古谷敏と藤岡弘、が明かす秘話 「それぞれの生みの親が僕たちへ語りかけてくれた言葉が、ここまで導いてくれた」
週刊ポスト
小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン