「伊賀鉄道は市内だけを走る鉄道ですから、利用者は主に高校に通学する高校生です。そうした若年世代に三重県材をPRするとともに、林業の重要性に触れてもらえたらという思いから三重県が伊賀市に木育トレインを提案しました。そして伊賀鉄道と三者で協議したことで導入が決まったのです」(三重県農林水産部みどり共生推進課)
木育トレインは1編成2両で運行されているが、木質化のためにかかった整備費用は約2440万円。それらの財源は、三重県が2014(平成26)年に制定した「みえ森と緑の森林税」から捻出されている。
鉄道の木質化に取り組んでいるのは、伊賀鉄道ばかりではない。もっと早くから取り組んでいる鉄道会社もある。島根県松江市・出雲市を走る一畑電車は伊賀鉄道より一足早い2013(平成25)年に、補助金を活用して5000系1編成2両を木質化した。同社の木質化は駅舎の改札口や駅ベンチにも及んでいる。