近いところで3月生まれの場合。妻が3月2日生まれだったら「そうか、高校生のときに駅の階段で見えそうで見えなかったミニスカートの妖精が……」と思えば、トキメキを取り戻すことができそうです。3月8日生まれの妻に対しては、「子どものころにお花畑で見つけて、捕まえたくて仕方なかったミツバチはもしかしたら……」と言えば、ロマンチックな雰囲気になること請け合い。
過去の記憶は必要に応じてひねり出しましょう。
あるいは、自分が3月12日生まれだったら、妻に「もしかして昔、大事なサイフを落としたことはなかった?」と聞いてみます。「あるわよ」と答えたら、これ幸い。「じつは俺は、そのときのサイフなんだよ」と言えば、「えー、よく戻って来てくれたわね。ありがとう!」と抱き着かれるに違いありません。もっとシンプルに、3月15日生まれの妻に対して「やっぱり君はサイコーだね」と言ってみるのも一興です。
語呂合わせでは苦しい場合は、記念日に頼りましょう。3月1日は、アメリカで始まった「豚の日」。3月1日生まれの妻に「ぼくは子どものころからトンカツが大好物で」と……いや、言えばいいというものではありませんね。3月11日の「パンダ発見の日」や3月29日の「マリモの日」あたりは、話の持っていきかたによっては活用できそうです。
元は他人同士である夫婦が、長いあいだ仲良く暮らしていくのは容易なことではありません。たとえ錯覚でも相手を「運命の人」と思い込むために、誕生日だけでなく、名前にこじつけたり映画や本や食べ物の好みが合う部分を探したりなど、あの手この手で全力を尽くしましょう。ま、相手がそういう熱意を喜んでくれるとは限りませんが。