国内

自民党、派閥人事廃止で「頭脳が対応できない」大臣が続々誕生

大臣は高額報酬に見合った重責を担うのだが

 俸給月額146万6000円。期末手当(ボーナス)436万円。それらを含めた年収は約2700万円で、これとは別に国会議員として文書通信交通滞在費が1200万円、立法事務費が780万円……。

「国務大臣」の待遇だ。

 高額報酬に見合った重責を担う大臣たちの朝は早い。答弁がある日は、6時ごろには大臣室や議員会館の事務所に顔を出す。官僚たちから答弁内容のレクチャーを受けるためだ。前夜、18時ごろに野党から質問内容が通告され、深夜2~3時までかけて省庁の担当者が答弁を練り上げる。ペーパーは数十枚から100枚以上に及ぶ時もある。

 それを早朝2~3時間、「コンビニのおにぎりを頬張りながら」(財務大臣経験者)、必死で頭に叩き込む。官僚答弁だと批判されることもあるが、「幅広い政策課題を遺漏なく進めるためには効率のよい方法」(同前)との言い方がある。東大法学部や中央官庁出身の大臣は少なくない。受験勉強よろしく、詰め込みは得意なタイプが多い。

 高い知性と並々ならぬ努力の賜物として、こんな答弁が生まれた。

「ちょっと、えー、私の頭脳というんでしょうか、えー、対応できなくて申し訳ありません」

 金田勝年・法務大臣の共謀罪に関する国会論議での発言である。

 稲田朋美・防衛大臣の“タジタジ答弁”も、テレビで繰り返し報じられた。民進党の辻元清美氏が「ISIL(イスラム国)をめぐるシリアの内戦は戦闘か、衝突か」と質問したのに対し、「法的評価をしていない」と繰り返すのが精一杯で、安倍首相が助け船を出す始末だった。

 官僚のレクに頼りっ切りなこと自体、情けない限りだが、そこまで面倒を見てあげてもこの体たらくなのはなぜなのか。

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