国際情報

長期大統領不在、混乱拡大の選挙戦 韓国は「すべて非正常」

週末ごとに左右両派のデモが開かれる AP/AFLO

「韓国はみんな狂っている、まともではない」。ネット掲示板かと見紛うタイトルのついたコラムが、1月27日、韓国最大の日刊紙・朝鮮日報に掲載された。執筆者は日本特派員の経験もある朴正薫論説委員。〈国家が理性を失いつつある〉とまで自国を評した内容は、大きな反響を呼んだ。

 同コラムで朴氏は〈大衆の暴走が攻撃性を帯び暴力化する〉との危うさも指摘する。韓国の次期大統領選挙の投票日が5月10日頃と予測され選挙戦が本格化しているなか、〈刺激的で煽情的であるほど、大衆の人気は上がっていく。政治家は迎合する〉と警鐘を鳴らしている。ソウル在住ジャーナリスト・徐台教氏がレポートする。

 * * *
 朴正薫氏はコラムで〈トランプ台風や中国の脅威と国外に憂慮の種は尽きない〉と外交に目を向ける。韓国の「国政の空白」は5か月にわたって続いており、外交分野にも多大な影響が出ている。

 最大の同盟国・米国ではトランプ新政権が発足したにも関わらず、韓国の指導部はまともな関係を築けていない。北朝鮮はもちろんのこと中国とも緊張状態が続く。だが、朴氏が真なる敵と見定めるのは、内なる病理ということが次の文章から分かる。

〈国家は他殺されない。外敵がくる前に内部の矛盾により自滅する〉〈自滅要因は利己主義とポピュリズム。大衆が目前の利益に揺れ動き、支配するエリートが迎合する時に国家が衰亡する〉

 たしかに今の韓国では「すべてが非正常」といえる。18週続く数十万単位の週末デモ、長期にわたる大統領不在と外交危機、激しい攻防の弾劾裁判、終わりの見えない崔順実ゲート、そして混乱の収拾はおろか拡大をもたらすかのような大統領選挙。

 当初はこの非正常を、正常な未来に向けての我慢すべき過程と考えていた国民にも、そして盛んな報道でけん引してきたメディアにも疲れがありありと見える。

関連記事

トピックス

被害男性は生前、社長と揉めていたという
【青森県七戸町死体遺棄事件】近隣住民が見ていた被害者男性が乗る“トラックの謎” 逮捕の社長は「赤いチェイサーに日本刀」
NEWSポストセブン
体調を見極めながらの公務へのお出ましだという(4月、東京・清瀬市。写真/JMPA)
体調不調が長引く紀子さま、宮内庁病院は「1500万円分の薬」を購入 “皇室のかかりつけ医”に炎症性腸疾患のスペシャリストが着任
女性セブン
学習院初等科時代から山本さん(右)と共にチェロを演奏され来た(写真は2017年4月、東京・豊島区。写真/JMPA)
愛子さま、早逝の親友チェリストの「追悼コンサート」をご鑑賞 ステージには木村拓哉の長女Cocomiの姿
女性セブン
1980年にフジテレビに入社した山村美智さんが新人時代を振り返る
元フジテレビ・山村美智さんが振り返る新人アナウンサー社員時代 「雨」と「飴」の発音で苦労、同期には黒岩祐治・神奈川県知事も
週刊ポスト
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
【視聴率『愛の不時着』超え】韓国で大ヒット『涙の女王』 余命宣告、記憶喪失、復讐など“韓国ドラマの王道”のオンパレード、 華やかな衣装にも注目
【視聴率『愛の不時着』超え】韓国で大ヒット『涙の女王』 余命宣告、記憶喪失、復讐など“韓国ドラマの王道”のオンパレード、 華やかな衣装にも注目
女性セブン
公式X(旧Twitter)アカウントを開設した氷川きよし(インスタグラムより)
《再始動》事務所独立の氷川きよしが公式Xアカウントを開設 芸名は継続の裏で手放した「過去」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
女性セブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
「ホテルやネカフェを転々」NHK・林田理沙アナ、一般男性と離婚していた「局内でも心配の声あがる」
NEWSポストセブン
タイトルを狙うライバルたちが続々登場(共同通信社)
藤井聡太八冠に闘志を燃やす同世代棋士たちの包囲網 「大泣きさせた因縁の同級生」「宣戦布告した最年少プロ棋士」…“逆襲”に沸く将棋界
女性セブン