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2017.03.07 07:00  週刊ポスト

天下りより問題なキャリア官僚の地方出向制度の憂鬱

 さらに、この仕掛けの中で、キャリア官僚が知事や市長になっていく。たとえば、大分県知事は経済産業省(旧・通商産業省)の“指定席”で、現在の大分市長も経産省出身だ。石川県知事は総務省(旧・自治省)出身者2人が合わせて14期・54年もの長きにわたって務めている。これこそ天下りの“権化”だと思う。

 では、キャリア官僚の地方出向制度の何が問題なのか? 地方の衰退を招く元凶になっているからだ。基本的に彼らは2~3年でくるくると交代する「回転ドア」人事なので、最初から腰掛けと思っていて真面目に仕事をしない。しかも、地元のことは何もわからないのに権限だけは持っているため、中央とのパイプが欲しい周りの人々にちやほやされて繁華街を上げ膳据え膳で飲み歩き、威張ることだけ覚えて転任していく。

 そういう手合いがジャガイモの地下茎のごとく全国各地にはびこっているのだ。いわば現代版「国司」であり、これが地方のプロパー(生え抜き)職員の“ガラスの天井”にもなっている。

 とはいえ、中央から地方への出向を禁じると、今度は関連団体や外郭団体を増やして、そこにパラサイト(寄生)するだけだろう。これは東京都なども同じ構図であり、こちらのほうが税金を無駄遣いするという点では天下りより問題だから、国民にとって何の役にも立たない関連団体や外郭団体は、国も地方もつぶしていかねばならない。

 本来なら、私の持論である憲法第8章(地方自治)を改正して明治時代以来の中央集権体制にピリオドを打ち、真の地方自治を実現すべきだが、それができないなら、現在の歪んだ人事制度を抜本的に改革するしかないだろう。

※週刊ポスト2017年3月17日号

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