前出・原田氏は1994年のリレハンメル五輪で団体金メダルを目前にしながら、まさかの失敗ジャンプ。
「お前のせいで負けた」などと心ない批判を浴びながらも、4年後の長野五輪では見事に団体金メダルを獲得して、日本中を感動させた。そんな自らの経験から、高梨にこんなアドバイスを送る。
「彼女はいつもインタビューで『応援してくれる皆さんに恩返ししたい』と話す。そうではなく、とにかく自分のために飛んでほしい。周囲の期待に応えるために『なんとか勝ちたい』と思うことが焦りにつながってしまうので。
またジャンプは飛距離を競うスポーツではありません。飛距離だけで勝とうとせず、飛型点でしっかりとポイントを稼ぐなど“勝負”にこだわってほしい」
先人のアドバイスにビッグタイトル獲得のカギが隠されているか。
※週刊ポスト2017年3月17日号