そして、清宮にはもう一人、理想の選手がいる。
「大先輩の王貞治さんです。人間性も含めて尊敬しています」
1957年の春。2年生の王はエースとして、早実に選抜初優勝をもたらした。その後の野球人生はここで説明するまでもない偉大な野球人だ。
清宮が理想の選手に挙げた二人は、共に国民栄誉賞を受賞している。野球ばかりではなく、その人間性も高く評価されている二人を挙げたのが興味深く、また彼らしいと感じた。
早実の選抜初優勝から、60年目という節目の春。清宮は自らのバットで野球人生にどんな花を咲かせるのか。