コラム

FX じりじり下がる相場で利益を出すスキャルピング戦略

羊飼い氏のスキャルピング戦略を紹介

 カリスマFXトレーダー・羊飼い氏が、外為市場の旬な話題をウォッチする連載「FXトレンドフォーキャスト」。昨年11月の米大統領選直後は、米ドル/円も強烈な円安ドル高相場になったが、年が明けると雲行きは変わり上値の重い展開が続いている。このような局面ではどのような投資戦略を立てればよいのか? 羊飼い氏が解説する。

 * * *
 じりじり下がる相場は、投資家にとっては最も手がけにくい相場だ。トランプ政権の1年目は難しい相場になりそうだが、策がないわけではない。羊飼いはこうした局面では、スキャルピング(わずかな利幅を狙って短時間で売買を繰り返す手法)で下落相場の反発を狙ったロング(買いから入る取引)戦略をとることが多い。

 下落が始まったとき、投資家はこの後さらに下を目指すか、あるいは反発に賭けるか、という判断に迫られる。大局的にはさらに下落したとしても、スキャルピングのような数分単位の動きで見れば、いったんはわずかに反発する可能性のほうが高い。下落相場で一定の値幅が出れば必ず利益確定の買い戻しが入るものであり、わずかな反発をはさみながら下落していくのが一般的だからだ。

 下落相場でトレンドに逆行する買いポジションを取るのは危険であり、素直にショート(売りから入る取引)するべきだと考える人もいるだろう。もちろん、それも正解だ。羊飼いも、スキャルピングで反発を狙ったロングを繰り返しながらも、下落が再開したら売りで入り直すことは多い。それでも、儲けやすいのはこの小さな反発狙いの取引だと感じている。

 たとえば下落局面で10万通貨をショートして3万円の利益を狙うには30銭の変動が必要になり、ポジションを持っている時間も長くなりリスクは上がる。それよりも、反発を狙って100万通貨をロングし、3銭で利益確定すればわずか数分で3万円の利益が出せる。

 資金は必要になるがこちらのほうが狙い通りに相場が動く可能性が高いうえ、短時間で決着できる。トレンドに逆らったポジションを持つ以上、相場から離れることなく監視している必要があるが、数時間相場を見ている余裕があるなら複数回繰り返すことも可能だ。 この戦略は、平均足チャートとMACDを併用するとわかりやすく、初心者にも手がけやすいので参考にしてほしい。

 もうひとつ、有効な戦略がある。下落時に112.00円といったキリのよい節目にぶつかると、1回目はかなり高い確率で反発するのでそこを狙ってロングすると利益がとりやすい。こうした大きな節目では20銭ほどの反発は期待できるが、無理せず3銭程度で確定しておくと、手堅い取引となる。

 こうした節目の近辺では、小数点以下「00」を挟んで何時間も一定の値幅を上下するもみあい相場を続けることも多い。レンジの下限で買って上限で売る取引を繰り返す戦略は、値幅はわずかだが繰り返すと利益を重ねやすい取引だ。しかも、レンジを抜けて新しいトレンドが始まったときにもそれがわかりやすいので、失敗しても傷が浅いうちに損切りできる。

 ロングとショートを一度に手がけるのはそう簡単ではないが、頭の切り替えに自信があるなら、スキャルピングで小さな反発を取りながら、下落相場に乗ったドル売りポジションを数日持って、値幅を狙うのもいいだろう。こちらは相場を見ていない間も保有を続けるので、ポジション量は小さくしておくのが肝要だ。

【PROFILE】「羊飼いのFX(外国為替)ブログ」(http://fxforex.seesaa.net/)が人気のカリスマトレーダー。2001年からFXを開始。「羊飼い」の由来は、高金利の豪ドル(通称・羊)を買って優雅に暮らそうと考えたことから。著書に『超ど素人が極めるFX』など。

マネーポスト2017年春号

関連記事

トピックス

永野芽郁
《不倫騒動の田中圭はベガスでポーカー三昧も…》永野芽郁が過ごす4億円マンションでの“おとなしい暮らし”と、知人が吐露した最近の様子「自分を見失っていたのかも」
NEWSポストセブン
中居正広
中居正広FC「中居ヅラ」の返金対応に「予想以上に丁寧」と驚いたファンが嘆いた「それでも残念だったこと」《年会費1200円、破格の設定》
NEWSポストセブン
協会との関係は続く?(時事通信フォト)
《協会とケンカ別れするわけにはいかない》退職した白鵬が名古屋場所で快進撃の元弟子・草野に連日ボイスメッセージを送ったワケ
週刊ポスト
「木下MAOクラブ」で体験レッスンで指導した浅田
村上佳菜子との確執報道はどこ吹く風…浅田真央がMAOリンクで見せた「満面の笑み」と「指導者としての手応え」 体験レッスンは子どもからも保護者からも大好評
NEWSポストセブン
石破首相と妻・佳子夫人(EPA=時事)
石破首相夫人の外交ファッションが“女子大生ワンピ”からアップデート 専門家は「華やかさ以前に“上品さ”と“TPOに合わせた格式”が必要」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
中村芝翫の実家で、「別れた」はずのAさんの「誕生日会」が今年も開催された
「夜更けまで嬌声が…」中村芝翫、「別れた」愛人Aさんと“実家で誕生日パーティー”を開催…三田寛子をハラハラさせる「またくっついた疑惑」の実情
NEWSポストセブン
ノックでも観客を沸かせた長嶋茂雄氏(写真/AFLO)
《巨人V9の真実》王貞治氏、広岡達朗氏、堀内恒夫氏ら元同僚が証言する“長嶋茂雄の勇姿”「チームの叱られ役だった」
週刊ポスト
現場となったマンホール
【埼玉マンホール転落事故】「どこに怒りを…」遺族の涙 八潮陥没事故を受けて国が自治体に緊急調査を要請、その点検作業中に発生 防護マスク・安全帯は使用せず
女性セブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《秘話》遠野なぎこさんの自宅に届いていた「たくさんのファンレター」元所属事務所の関係者はその光景に胸を痛め…45年の生涯を貫いた“信念”
週刊ポスト
政府備蓄米で作ったおにぎりを試食する江藤拓農林水産相(時事通信フォト)
《進次郎氏のほうが不評だった》江藤前農水相の地元で自民大敗の“本当の元凶”「小泉進次郎さんに比べたら、江藤さんの『コメ買ったことない』失言なんてかわいいもん」
週刊ポスト
川崎、阿部、浅井、小林
女子ゴルフ「トリプルボギー不倫」に重大新局面 浅井咲希がレギュラーツアーに今季初出場で懸念される“ニアミス” 前年優勝者・川崎春花の出場判断にも注目集まる
NEWSポストセブン
6年ぶりに須崎御用邸を訪問された天皇ご一家(2025年8月、静岡県・下田市。撮影/JMPA)
天皇皇后両陛下と愛子さま、爽やかコーデの23年 6年ぶりの須崎御用邸はブルー&ホワイトの装い ご静養先の駅でのお姿から愛子さまのご成長をたどる 
女性セブン