◆自分を客観視する秘訣はある
──他人に褒められる服を着るには、定理・法則を学ぶとともに、客観的な目を持つ必要があるように感じます。MBさんは、客観的な視点をどのように養ってこられましたか?
MB:僕自身について言えば、子どもの頃にお金に困った時期があり、早くからお金について考えるようになったんです。それで、先ほどの話に重なりますが、社会の中で生きていくには、誰かのために生きるしかないと悟ったんですね。仕事の報酬って基本的に、誰かが喜んだ対価としてもらえるものだから。じゃあ、他人が喜んでくれることって何だろう、そのために自分ができることってなんだろうって、ひたすら自分を客観視して生きてきました。
ファッションで客観的な視点を養うには、一つ秘訣があって、「自撮り」するんです。
──なるほど。自分の全身を「自撮り」すると、客観視ができるようになると。
MB:はい。僕の有料メルマガに、コーディネート診断という機能があるんです。読者の方が送ってくれた「自撮り」写真を見て、僕が診断するというサービスで、メルマガで紹介できるのは週に数人ですが、実際には、週に5、60人が送ってくださいます。それを見ていて気づいたのは、送ってくれる回数が多い人ほど、明らかにオシャレになっていくということ。つまり客観的に自分のことを見られるようになっているんです。
だから、撮った写真を僕に送ってくれなくてもいいんです。もっと言えば、僕の本を読まなくてもいい。とにかく自撮りして、それを見返すだけで、人は考えるし、知らないなりに、解決策が出てくるのです。
──鏡で自分を見るのと、自撮りには、大きな差があるんですね。
MB:鏡の前に立つと、どうしたって人は、顔に目が行くんです。コーディネートに行かない。ところが写真に撮ると、全身が平面化され、フラットに見えることで、服に目が行くようになるんですね。