国内

親の家の片付けは焦らず、思い出話を聞き長期の心理戦が秘訣

片づけヘルパーの永井さんが親の家の片づけ方を指南

 高齢になると、広い家での生活は不便になる。そこで、住み替えなどで自分の生活スペースを狭める人は少なくない。すると荷物の片づけが必要になるのだが、実家でよかれと思って片付けると、親に抵抗されて困る、というケースもあるという。

 そこで、片付け=捨てるではなく、残された人生を暮らしやすくする提案だと考えよう。それを親に実感してもらえれば、本人の片付けスイッチが入りやすくなる。

 とはいえ、捨てる行為に罪悪感を持つ高齢者は多い。

「戦前生まれのかたは特にその傾向が強いんです。特に、親しい人からもらったプレゼントは、愛着がなくても贈り主の想いが宿っているので捨てにくいもの。そんな時は、まず話を聞くことから始めましょう。寂しさから、想いの詰まったものに執着する場合もあり、思い出話をしているうちに満足して、“もう必要ないわ”と自分から言い出すことも少なくありません」(片づけヘルパー・永井美穂さん。以下「」内・同)

 捨てることに抵抗がある場合は、リサイクルショップに売ったり、譲り受けるのも手。だが、愛着があるようなものの場合は、認知症予防のために、コンパクトにまとめてストックしておこう。

 思い出の品はエピソードを聞いたり、見える場所に飾ってみると厳選しやすいそう。

「愛着のあるものほど、見ると当時を思い出してうれしい気持ちになります。そこまで思い入れがなければ“もういいわ”と自分から言い出すはずです」

 さらに究極なのが、トランクルームに一時的に預ける方法。「特に思い入れの強いものを部屋に飾り、身の回りのものを整えた上で、残りは預けます。親が環境に慣れた頃、預けた荷物のことを持ち出すと、“今が快適だから必要ない”という結論に至ることもあるんです」。

 親の家の片付けは焦らず、思い出話を聞きながらの長期の心理戦が成功の秘訣だ。

※女性セブン2017年3月30日・4月6日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
日本初となる薬局で買える大正製薬の内臓脂肪減少薬「アライ」
日本上陸の内臓脂肪減少薬「アライ」 脂肪分解酵素の働きを抑制、摂取した脂肪の約25%が体内に吸収されず、代わりに体内の脂肪を消費
週刊ポスト
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
専修大サッカー部を辞任していた源平監督(アフロスポーツ)
《「障害者かと思った」と暴言か》専修大サッカー部監督がパワハラ・経理不正疑惑で辞任していた 大学は「警察に相談している」と回答
NEWSポストセブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
日本製鉄によるUSスチールの買収計画
【日本製鉄のUSスチール買収問題】バイデンもトランプも否定的だが「選挙中の発言に一喜一憂すべきではない」元経産官僚が読み解く
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン