国内

78万部の佐藤愛子「この本がそんなに売れたら日本は滅びる」

編集部に届いた佐藤愛子氏の読者カードは7000枚超

 その日1日で売れた数は全国で1万9700冊超――3月22日にNHK『ニュースウオッチ9』で佐藤愛子さん著・『九十歳。何がめでたい』が特集された翌日、番組を見た人たちが書店に殺到。瞬く間に書店から本が消えた。

 特集のテーマは、なぜ本書が65万部を超えるベストセラーとなっているのか。読者や書店員、そして著者の佐藤愛子さんへのインタビューからその理由を探ったものだ。「93才の母の気持ちが少し理解できた気がします」という66才の女性や、本誌・女性セブンでも以前紹介した竹下詠乃ちゃん(11才)が本書を母親や祖母と一緒に楽しむ様子が映し出された。

 NHKの取材に「正直こんなに売れるとは思っていなかったです」と語っていた三省堂書店成城店の大西香苗さんは、反響をこう話す。

「とにかくすごくて、次から次へと売れていきます。『番組を見たわよ~』とか、『買おうか迷っていたけれど、あれで買おうと決めたの』と言ってお買い上げになるかたも多いですよ。 おばあちゃんとお母さんと子供の3世代で買いに来られたかたもいました。番組で紹介されて、この本が高齢者だけに届く本ではないんだと気づいたかたも多いんだと思います。

 私自身、同世代の作家・辻村深月さんの大絶賛の声に興味を持ったのがきっかけでこの本を読んだので、こういった反応はとても嬉しいです。世代を超えて家族みんなで楽しめる本はあまりないですから、この本はずっと売れ続けてほしいですし、今後も力を入れて売っていきたいと思っています」

 番組では、佐藤さんの本音に共感したという読者カードが既に6000枚も寄せられていると紹介されたが、その数は現在7000枚を超えた。

◎笑い、涙、勇気、元気のエッセンスがたっぷりと詰まった一冊でした。3人の男の子の子育てを終え、これからは両親を支えていかねばならない年齢となりました。いろんな意味で参考になりました。(50才・女性)

◎“のんびり暮らす”のはやめて、バタバタと生きるかな。(68才・女性)

◎とにかく笑った。最近腹の底から笑うことがなかった。あまりの面白さに1日で読み終えるのがもったいなくて、5日間くらいかけて読んだ。(76才・女性)

◎日常感じている老化現象を思いっきり表してくださり、スカッとしました。笑って朗らかに生きて、めでたいねと言われる余生を送ります。(80才・女性)

 などなど、自身の境遇や年齢から思う、本書への共感がさまざまに綴られている。

 佐藤さんは、こうした大反響をどう感じているのか。NHKの取材にこう話した。

関連記事

トピックス

岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン