では、火中の栗を拾って失敗する新社長と成功する新社長の違いは、どこにあるのか。『経済界』編集局長の関慎夫氏がいう。
「スーパードライを大ヒットさせてアサヒビールの経営再建を果たした樋口廣太郎氏は、『会社は風船みたいなもので、そもそも浮かび上がりたいもの。それを阻害している古い社風やしがらみを取り除けば社員の士気が上がり、自ずと浮かび上がる』といいました。
火中の栗を拾って成功できる社長には、ムダを速やかに削り、旧経営陣の影響力やしがらみ、悪しき社内文化を排除し、社員の士気を高められる資質があるのだと思います」
出世競争のゴールテープを切ったその先には、今まで以上の酷な役割が待ち受ける。それがサラリーマン社長の宿命なのだ。
※週刊ポスト2017年4月14日号