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名古屋の最新「室内墓」 休憩室は高級ホテル並み

『大須陵苑』。黒御影石の墓石と休憩室が売り

 お墓参りに行きたくても遠いし、時間がかかる。あるいは、子供に迷惑をかけたくない…そんな悩める人たちから今、注目を集めている自動搬送式の室内墓。ノンフィクションライターの井上理津子さんが、今回もビックリ仰天のお墓事情をレポートする。

 * * *
 最新型の自動搬送式の室内墓を名古屋に訪ねた。観光スポットとして賑わう大須観音にほど近い名古屋市中区に、2月にオープンした『大須陵苑』だ。やはり400年の歴史を持つという浄土真宗・興安寺の経営。価格は80万円。広告チラシには「12の魅力」としてこんな文言がずらりと並ぶ。

〈1、お求め易い使用料。
2、葬儀・法事・会食もできるオールインワンの供養の館。
3、ご希望の方には最高位の院号居士・院号大姉を授与。
4、無縁になっても合ごう祀しし永代供養。
5、ロッカー式でも、合同墓でも、ありません。
6、永代に亘わたりご使用いただけます。
7、ご遺骨は何体でもお引き受けいたします。
8、内外装は豪華な石貼り仕上げ。
9、心安らかに故人様をお見送り。
10、宗旨・宗派は問いません。
11、交通至便なお墓の一等地。
12、手ぶらでお参り。〉

「ビルでいうと9階建てにあたる高さに6階建てで、各フロアとも天井が高いんです。おかしな言い方かもしれませんが、グレード感がアップしていますでしょう?」

 販売代行する株式会社ニチリョク(本社=東京都杉並区)名古屋支店の住吉富士子さんがそんなふうに話し、迎えてくれた。住吉さんは、名刺に「メモリアルコンシェルジュ」とある。ずいぶんな肩書だと思いきや、1階ロビーはホテル並みのゴージャスさだ。

 道路から向かって右が興安寺(6・4・地階)、左が大須陵苑(5・3・2階)と入り口が別なのも、おそらくここならでは。「軽装でお墓参りに来た人が、喪服の人たちに気を使わなくていいように」との配慮だそうだ。興安寺側には広い本堂と客殿を擁し、100人までの葬儀、法要、食事ができるという。チラシを再度見て「オールインワン」の文言にちょっと笑う。

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