私は鑑識ばっかりやってきた男です。だからというわけでもないですが、鑑識という仕事をもっと広く知ってもらいたい。
実際の事件現場で、最初に現場に入るのは鑑識の人間です。これは刑事ドラマの中でも同じ。ドラマでは冒頭シーンでの登場が多い。ここが面白くないと視聴者も離れてしまいますよね。
ですから役としては脇役かもしれませんが、鑑識の人間が登場するシーンでは主役ばりの存在感を放ってほしい。そう見えるように作品に息吹を吹き込んでいきたいですね。
●おがわ・みなお/1982年、警視庁入庁。1986年に鑑識課へ異動してから32年間、一貫して鑑識畑を歩む。特に指紋の採取、遺留指紋の照合や指紋採取資機材の研究開発などにかけては日本でも屈指の腕を持つ。
撮影■山崎力夫
※週刊ポスト2017年4月21日号