米経済誌『フォーブス』が発表している「日本長者番付」の2017年版が公表された。昨年のランク外から40位にランクインしたのが、ゲームソフト開発会社コーエーテクモHDの創業者、襟川陽一・恵子夫妻である(資産額1150億円)。『信長の野望』や『三國志』などの大ヒットで名を馳せてきた同社は、近年はスマホゲームアプリ業界の活況のなかで業績を伸ばし、株価は右肩上がりとなった。
スマホゲームは、人口減少による需要減衰に多くの業界が悩まされるなかで数少ない成長産業だ。その市場規模は1兆円規模に膨れ上がったともいわれる。競争が激しくヒット作の有無による浮き沈みも多い業界だが、創業者でゲームプロデューサーの「シブサワ・コウ(襟川陽一氏)」のブランド化を推進し、勝ち残りの道を探っている。
「すき家」や「はま寿司」などを経営するゼンショーHDの小川賢太郎氏は、初のビリオネア入りで39位(1170億円)にランクされた。
2014年に「ワンオペ(一人勤務での店舗営業)による24時間営業」でアルバイトを酷使するブラック企業と批判され、売り上げにも影響が出ていたが、小川氏自らが陣頭指揮に立って労務環境の改善に取り組んできた。
熾烈な価格競争がある外食産業は新規上場も活発な一方で勝ち負けがはっきりする。人手不足のなかで労働市場における悪評が広まれば、その影響が甚大となる業界だ。労務改善が奏功したかたちとなった同社の株価はこの1年で1400円から1900円へ約35%上昇し、小川氏の順位を押し上げることとなった。