「小川氏は東大の学生時代、全共闘に参加し、社会主義革命を目指していたが、その後に転向。吉野家に入社したが、同社が会社更生法の適用を申請する事態となったことを受け、1982年にゼンショーを創業する。資本金500万円の零細企業を2012年には売り上げで外食産業日本一となるまでに成長させた」(経済アナリスト)
社会主義革命を目指した学生が、日本有数の資産家になったというのは、興味深い逸話である。
昨年の15位から13位(3660億円)へと2つランクアップしたのが、家具・インテリアの最大手、ニトリHDの似鳥昭雄氏だ。
昨年は30期連続の増収増益を達成。直近の2018年2月期も連結営業利益が前年比15.4%増の990億円になる見通しで、31期連続は確実と見られる。デフレ銘柄の代表格といわれた同社の好調が続いているのは、日銀が「物価上昇率2%」と目標を定めながら、達成への道筋すら見出せていない状況の裏写しともいえよう。
今年は海外16店舗を含む61店舗の新規出店を計画し、国内外で532店舗にまで増える。似鳥氏は「日経の『私の履歴書』で、子供の頃、親にヤミ米の販売をさせられた話や、凄まじい家族ゲンカの様子、カンニングで大学に入った話などを披露していて、破天荒な人生を送った人物」(経済作家の北康利氏)であり、攻めの経営姿勢は続きそうだ。
※週刊ポスト2017年4月28日号