国際情報

アメリカの「金正恩暗殺」に日本は協力するしかない

この男の暴走は止められない KCNA/新華社/AFLO

 3月6日、北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイルを4発発射した。この発射について7日に報じた朝鮮中央通信は、在日米軍を名指ししている。日本攻撃を初めて示唆した北朝鮮は、朝鮮半島ではなく、いまや世界の脅威となりつつある。金正恩独裁王朝に向き合う具体的な支援について、作家で元外務相主任分析官の佐藤優氏が解説する。

 * * *
 北朝鮮の弾道ミサイル能力は急速に向上している。

〈朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」(電子版)は7日付の1面で、朝鮮人民軍戦略軍火星砲兵部隊による弾道ミサイル発射を報じた。写真を12枚掲載し、弾道ミサイル4発が順次打ち上がっていく様子などが写っている。発射したのは、「スカッドER改良型」の可能性が高いとみられる。核弾頭を搭載でき、射程は1千kmとされ、日本にも届く計算だ。スカッドは発射台付きの車両に搭載されるため、事前に発射の兆候を把握するのが難しい。

 また、北朝鮮は2月、開発を進めている潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の技術を活用したとみられる新型の弾道ミサイルを発射した。このミサイルの燃料には従来の液体ではなく、固体燃料が使われたとされる。液体燃料は発射前に機体に注入する必要があるが、固体燃料の場合はこうした作業が省略できる。固体燃料が導入されれば日米韓への脅威はさらに増すことになる。〉(前掲「朝日新聞」)

 北朝鮮は今回、ミサイルを4発、同時に発射した。同時発射の多数のミサイルを迎撃することは難しい。既に北朝鮮は、核兵器の小型化を進めている。それについて日本政府は、昨年1月19日の閣議決定で、次のような見解を示している。

〈6日の北朝鮮による核実験に関連し、「断定的なことは言えないが、一連の北朝鮮の言動などを考えれば、核兵器の小型化・弾頭化の実現に至っている可能性も排除できない」とした。民主党の長妻昭代表代行の質問主意書に答えた。〉(2016年1月19日「日本経済新聞」電子版)。

 北朝鮮が核弾頭を搭載した弾道ミサイルで日本の領土を攻撃する危険性が現実としてある。

関連キーワード

関連記事

トピックス

モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト