東京ディズニーリゾートのパークで働く人は2万人を超え、その職種は20以上。そこで働く女性に会いに行ってみたら、やさしい笑顔で働く姿に元気をもらいました。また行きたくなる理由は、そこで働く“人”にあるのかも。
◆植栽担当キャスト<早朝に出勤。舞浜の植物に厳しい環境でも1年中緑を絶やさない>
365日、いつも緑豊かで、花々が咲き誇っている。広大な敷地に緑を絶やさないように植栽を計画し、管理するのが鈴木忠幸さんのお仕事。
「植物は手をかけると応えてくれる、子育てに通じるところはありますね。20年やってきましたが、まだまだわからないことも多く、常に謙虚でいることを心がけています」
パークには常時約14万株の草花が植えられているが、海風が吹く舞浜の環境は植物にはシビア。海風に含まれる塩がついてしまったときは、6000個ものスプリンクラーで洗い流す。熱帯の植物をいかにそれらしく見せるか、コツコツと植物を育てる根気のいる作業が続く。
パークの中で気に入っているのは、20年前に入社と同時に任された“芝生”。ビシーッと刈り揃えられた芝は青々として美しいと評判だ。芝生は、2日に1度整えるという日頃の手入れの賜物。お気に入りは『シンデレラ城』の庭。イヌマキという品種で作られた樹木アートは、池を泳ぐシーサーベントをイメージ。その周りには波紋に見立てた白い花が咲く。
「長年の経験から、朝露がきれいにのればその芝は元気ってことがわかりました。長年植物を育ててきて、自分自身も育てられてきたように思います」。ある日、“小さな子供がアトラクションに飽きて、歩き疲れたとき、お花を見て笑顔になりました”という、感謝のメッセージが届いた。それが彼の宝物だ。
さらに、東京ディズニーランドの『アドベンチャーランド』内には、多種多様な植物を寄せ集めて熱帯雨林をイメージしたエリアが。極楽鳥花などのカラフルな花が咲き、うっそうと茂るシダなどが熱帯らしさを盛り上げている。
目を引くのは、東京ディズニーランドで一番大きくて古い巨木、ホルトの木。『クリッターカントリー』の入口にそびえ立ち、木陰で休憩するゲストも多い。「約30年、潮風のきついこの地域でよく育ったなぁと感慨深いです」と鈴木さんは語った。
※女性セブン2017年5月4日号