海外で使われていない鎮痛剤という点では、湿布薬も同じだ。日本の医療機関などで処方される湿布薬モーラステープの国内売上高は526億円。一方、海外での売上高はわずか1億2600万円に過ぎない(ともに2016年度)。

「欧米では湿布を貼って患部を治すという考え方が浸透しておらず、鎮痛・消炎目的でも経口薬を服用して治すのが一般的です」(前出・田辺氏)

 飲み薬と違って副作用が少ないイメージがあるが、モーラステープにはケトプロフェンという鎮痛成分が含まれ、光線過敏症(皮膚炎)の副作用がある。湿布薬を貼った箇所が紫外線を浴びると発疹や腫れ、水ぶくれが生じるケースがあり、パッケージの裏面にもそう明記されている。

■取材協力/室井一辰(医療経済ジャーナリスト)

※週刊ポスト2017年5月5・12日号

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