ビジネス

今春のコンビニおにぎり 「4社4様」の驚くべき進化

セブンのおにぎりは包装も見直し、海苔が湿気にくくなった

 ゴールデンウィーク期間中、「コンビニおにぎり」を買って行楽地に向かう人も多いだろう。今ではすっかり定番化したコンビニおにぎりだが、米粒の状態にまでこだわって改良を重ねるチェーンがあるなど、年々進化を遂げているのをご存じだろうか。コンビニジャーナリストの吉岡秀子さんが徹底調査した。

 * * *
 ゴールデンウィーク、旅行やお出かけは楽しみだけど、「混雑の中、食事をどうしよう」なんて考える人も多いでしょう。そんなとき、手軽なコンビニおにぎりの出番ですが、今の時期、使い勝手の良さだけで売れるわけではありません。

 実はコンビニ各社とも、行楽需要に合わせておにぎりを毎年GW前にリニューアルするのです。例えば同じに見える「シャケおにぎり」でも、昨年冬の「シャケ」と今の「シャケ」は大違い。だから1年を通して今が一番「新しい味」に出会えるチャンスというわけ。

 さて今年のトレンドは? 解説していきましょう。

「今年のおにぎりの改良ポイントはどこですか?」

 そう尋ねたのは、セブン-イレブン(以下セブン)、ファミリーマート(以下ファミマ)、ローソン、ミニストップの4社。それぞれに特徴があるのですが、まずは業界を俯瞰して、顕著になってきた「おにぎりの変化」についてお話しします。

 おにぎり売り場を見てみると、パリパリした海苔を巻く「手巻おにぎり」、ごはんに海苔が巻いてある「直巻おにぎり」、チャーハンやオムライスなどを握った「変わり種おにぎり」、雑穀米などを使った「ヘルシーおにぎり」、その他「おこわ系」など、一言で「コンビニおにぎり」といっても、そのバリエーションは驚くほど豊かになりました。各社によれば、その数、ざっと15~30種類くらいのようです。

 ですがこの豊かすぎるバリエーション、私はちょっと違和感を覚えます。だって、15年前からおにぎりの売れ筋を毎年聞いていますが、どのチェーンも「紅シャケ」「ツナマヨ」「辛子明太子」、加えて「昆布」や「梅」と決まって“ド定番”の答えが返ってくる。日本人の心のどこかに「おにぎりの具はこれでなくちゃ」というルールができあがっているからなんでしょう。

 だから素朴に、「なぜこんなにおにぎりの種類を増やす必要あるのか」、と首をかしげてしまうのです。

 改めて日ごろの取材をもとに、おにぎりの種類が増えた理由を考えてみました。ふたつ、思い当たります。ひとつ目は当然、「客を飽きさせないため」。いくら「ツナマヨ」の具が好きでも、たまには「違うのが食べたい」になりますよね。

 そしてふたつ目は、最近、コンビニおにぎりの「バイブレーヤー(名脇役)化」が進んでいること。私見ですが「おにぎりのバイブレーヤー化」とは、次のような意味です。

 昔は「コンビニでおにぎりを買おう」と、おにぎりを“目的買い”するために来店する客が圧倒的でした。「コンビニの顔=おにぎり」だったからです。

 しかし今は、様子が違います。コンビニの客層は若い男性ばかりではなくシニアや女性へと広がってきました。それに伴い、惣菜、サラダ、小容量のめん類、スープ等と、新メニューが続々と増えている。だから「パスタ+サラダ」とか「スープ+サンドイッチ」とか、消費者の“買い合わせ”スタイルが定着してきたのです。

 もうおわかりですね。メニューの選択肢が大幅に増えた今、おにぎりの立ち位置が「単品買いの主役」から、もう一品ほしいときに選ばれる「複数買いの名脇役」にシフトしてきたというわけです。実際に各社はこう話していました。

関連記事

トピックス

モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト