ローソン「おにぎり屋」の日高昆布は幅広い年齢層に根強い人気
「暑くなると、冷し中華などの冷しめんが良く売れますが、買い合わせの1位はダントツでおにぎりです」(セブン)
「からあげクンとおにぎりが合うという声をよく聞きます」(ローソン)
ただし、主役から脇役に人気がダウンしたの? と思うのは早合点。むしろどんなメニューにも合う実力を損なわないよう、おにぎりはリニューアルされるのです。
さて本題です。今春の改良ポイントはどこか?
総括すると、品質の向上はいうまでもありませんが、各社の動きからゆるーく「定番のグレードアップ組」と「トレンドに合わせた新作おにぎり投入組」に分けてみました。
定番のグレードアップに注力した感があるのが、セブンとローソン。セブンは、今春の商品展示会で商品本部長がじきじきに「米の管理基準を10年ぶりに見直し、握り方もよりふっくらと変更した」と説明していました。
本部長によると「米の銘柄が増え、高性能な炊飯器が出回った今、おにぎりの米に求められる食感のトレンドは、より“ふっくら・もっちり”になっている」そう。
そこで「米粒の状態(大きさ・重さ等)」にこだわって炊飯し、成形。結果、「おにぎりの容積が105パーセントアップした」と言います。
本音を言うとマニアックすぎてわかりにくい話なのですが、これが「セブンの商品開発あるある」。去年よりもふっくらとした握り方になり、米のほぐれ具合がほろっとやさしくなりました。個人的にオススメは手巻おにぎりの「熟成仕立て 紅しゃけ」(140円)。雑味のないシャケ本来の味が楽しめるようになった感じがします。
ローソンの改良点は、もっとド直球。手巻おにぎりの定番中の定番、「シーチキンマヨネーズ・日高昆布・紀州南高梅の中具を見直した」と言います。
個人的にはカットサイズが大きくなった「日高昆布」(110円)にハマっていますが、注目は20代男性から圧倒的な支持を集める「シーチキンマヨネーズ」(110円)。夏向けにレモン果汁を加えたとあって、以前に比べてさっぱり味でぺろりと完食できるので、ついもう一個、もう一品と手が出てしまいそうです。
ちなみに、各社ともこうした「買い上げ点数アップ作戦」が巧みになってきました。定番商品がリニューアルしたら、「どこが変わったのか?」「なぜ変えたのか?」を推理してみると、コンビニの販売戦略が見えてきて結構楽しめます。
さて、話を進めましょう。「トレンドに合わせた新作」に力を入れたのがファミマとミニストップです。