◆どんなに忙しくても3食きちんと食べること
2007年に夫の清佐さん(享年91)を自宅で看取ったのち、東京・田園調布の自宅で5年間、ひとり暮らしをした。
「お料理教室もありましたし、子供たちもよく遊びにきていましたから、寂しいということはなかったの。ただ、やっぱり最初の1年間は、パパのいない食卓は悲しくて悲しくて、ひとりで食事はできなかった。お仏壇にご飯を供えて、パパの遺影に話しかけながら、食事をいただいていました。
でも、ちゃんと作って、しっかり食べていましたよ。ひとりでも人生は続くのだもの。食をおざなりにしますと、生活が間違いなく荒れます。品数はいらないの。温かいご飯と汁もの、『ごちそうさまでした』と言えるおかずと、ちょっと香のものでもあればよいのです。煮物なら、翌朝は味がしみておいしくなりますから、少し多めに作ってもいいですし、保存できるものなら、無駄にはならないはずです。ひとりだからこそ、いいお刺身やお肉を…というぜいたくもまた愉し、よ。
それに、ひとり身なら、お友達と気軽に外食もできるし、旅行だって行けるわよね。時にはおめかしして、おいしい食事や他愛ないおしゃべりを積極的に楽しむことが、明日の活力につながるのよ」
撮影/近藤篤
※女性セブン2017年6月1日号