逆に、ダライ・ラマ側が4月に訪米することを打診したものの、4月には習近平氏ら一行が訪米する予定が入ったことから、当初のダライ・ラマとの会談予定を変更。

 このようなトランプ大統領の場当たり主義に翻弄されたのは、ダライ・ラマばかりでなく、台湾の蔡英文総統も同じだ。トランプ氏は大統領当選後の昨年12月2日、外交関係がない台湾の蔡英文総統と電話会談を行った。これについて、中国外務省は翌3日、「米国の関係各方面に厳正な申し入れをした」と明らかにしている。

 この異例の電話で、台湾側はトランプ政権が台湾寄りになると期待したが、4月の米中首脳会談によって文字通り期待外れに終わった。

 その後、トランプ大統領は4月28日、ロイター通信との単独インタビューで、「蔡英文総統との電話会談は現時点ではない」とつれない態度をとった。実はその前日の27日、同じロイター通信との単独インタビューで蔡英文総統は「トランプ米大統領と再び電話による直接会談を行う可能性がある」と強い期待を表明していただけに、台湾側の失望は深かったようだ。

 これはダライ・ラマ側も同じで、「ダライ・ラマは6月にカリフォルニア州サンディエゴを訪問するが、ワシントンのホワイトハウスでトランプ大統領と会談する予定はない」とチベット関係者は明らかにしている。

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