それまでE-girlsは、ミニスカートでぷりぷりお尻を振っているだけのグループだと思っていた。しかし三人の力士がファンであることから、テレビに映ると目がいくようになった。Ayaというメンバーが、力のこもったステップを踏んでいる。
調べてみると、十五歳、二〇〇二年にダンスグループ「dream」に加入したものの不振により事務所を移籍。そこにもやがて解雇され、木造アパートで共同生活をしながら路上ライブを行なっていたという。その不遇に耐えて、十四年後に大きく華やかなステージに立っている。苦労の染み付いた、味のある笑顔を見せてくれる。
あの三人の力士が誰だったのかわからないから、この一年の成績は知りようがない。しかし、あせらなくていい。Ayaを見つめれば、自分を信じること、あきらめないことの大事さに気付くはず。
※週刊ポスト2017年6月2日号