スポーツ

スー女が目撃 E-girlsライブに参戦した力士の恥じらい

貴乃花部屋の貴ノ岩

 相撲ブームが沸騰している。そこで、「謎のスー女」こと尾崎しのぶ氏が相撲コラムを執筆。今回は彼女が実際に街中で目にした力士たちのプライベートにまつわるエピソードを紹介する。

 * * *
 丸ノ内線に乗ると、貴ノ岩を思い出す。八年前の夏。居眠りをしていると、甘いにおいがしてきた。見回すと、車両の遠くに浴衣の男がいた。おお、力士だ、と目が覚める。丸ノ内線を利用すると思われるのは、南阿佐ヶ谷の放駒部屋か中野新橋の貴乃花部屋。今は中野坂上駅を出発したところである。方南町からの丸ノ内支線を乗り継いできた貴乃花部屋の力士であろう、と推理する。

 彼はまだ髷を結えないザンバラ髪だった。一月発行の名鑑で短髪の力士をさがす。候補は二人。まず貴天秀を見る。この丸顔ではなかった。もう一人を見て、にやりとしてしまう。バーサンドルジ。土俵では知っていた貴ノ岩。そう、この岩のような輪郭、浴衣に包まれていてもわかる岩のような身体だった。

 弟子の携帯電話の所持については、各部屋の師匠にゆだねられているという。貴乃花部屋での規則も、当時三段目の貴ノ岩が携帯電話を持っていたのかどうかも知らないが、電車の中ではメールなのかゲームなのか携帯電話をいじくりまわしている若者がほとんどの中、彼は正面を向いて吊り革をにぎっていた。そのまっすぐな背中を、今も忘れられない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

インタビュー中にアクシデントが発生した大谷翔平(写真/Getty Images)
《大谷翔平の上半身裸動画騒動》ロッカールームでのインタビューに映り込みリポーター大慌て 徹底して「服を脱がない」ブランディングへの強いこだわり 
女性セブン
映画『八日目の蝉』(2011)にて、新人俳優賞を受賞した渡邉このみさん
《ランドセルに画びょうが…》天才子役と呼ばれた渡邊このみ(18)が苦悩した“現実”と“非現実”の境界線 「サンタさんを信じている年齢なのに」
NEWSポストセブン
アーティスト活動を本格的にスタートした萌名さん
「二度とやらないと思っていた」河北彩伽が語った“引退の真相”と復帰後に見つけた“本当に成し遂げたい夢”
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、小泉家について綴ります
《華麗なる小泉家》弟・進次郎氏はコメ劇場でワイドショーの主役、兄・孝太郎はテレビに出ずっぱり やっぱり「数字を持っている」プラチナファミリー
女性セブン
調子が上向く渋野日向子(時事通信フォト)
《渋野日向子が全米女子7位の快挙》悔し涙に見えた“完全復活への兆し” シブコは「メジャーだけ強い」のではなく「メジャーを獲ることに集中している」
週刊ポスト
1966年はビートルズの初来日、ウルトラマンの放送開始などが話題を呼んだ(時事通信フォト)
《2026年に“令和の丙午”来たる》「義母から『これだから“丙午生まれの女”は』と…」迷信に翻弄された“昭和の丙午生まれ”女性のリアルな60年
NEWSポストセブン
6月2日、新たに殺人と殺人未遂容疑がかけられた八田與一容疑者(28)
《別府ひき逃げ》重要指名手配犯・八田與一容疑者の親族が“沈黙の10秒間”の後に語ったこと…死亡した大学生の親は「私たちの戦いは終わりません」とコメント
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問される佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
《ブラジルへ公式訪問》佳子さま、ギリシャ訪問でもお召しになったコーラルピンクのスーツで出発 “お気に入り”はすっきり見せるフェミニンな一着
NEWSポストセブン
渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト
 6月3日に亡くなった「ミスタープロ野球」こと長嶋茂雄さん(時事通信フォト)
【追悼・長嶋茂雄さん】交際40日で婚約の“超スピード婚”も「ミスターらしい」 多くの国民が支持した「日本人が憧れる家族像」としての長嶋家 
女性セブン
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さん出産》“一卵性母子”と呼ばれた小室圭さんの母・佳代さんが「初孫を抱く日」 知人は「ふたりは一定の距離を保って接している」
NEWSポストセブン
PTSDについて大学で講義も行っている渡邊渚さん(本人提供)
渡邊渚さんが憤る“性暴力”問題「加害者は呼吸をするように嘘をつき、都合のいい解釈を繰り広げる」 性暴力と恋愛の区別すらできない加害者や擁護者への失望【独占手記】
週刊ポスト