《今朝は、着替えるときに、裸で鏡の前に立ってみると、私が恐れていた姿に近い身体が写っていて、一瞬、衝撃を受けたあと、泣いてしまいました。でも涙を流していてもどうしようもないことに気づき、豆乳ココアを飲んで、心を落ち着かせました。そのあと子供達の写真や動画をいっぱい見ながら、一生懸命食べました。(中略)精神力までは痩せ細ってないです!!》
この言葉に「涙が止まらなかった」と話すのは、50代の乳がんを患う女性だ。
「乳がんになっていちばんつらかったのは、自分の体が変わっていくことでした。もちろん、治療で感じる痛みや熱、だるさもつらいのですが、見た目がどんどん変わってゆくのを受け入れる精神的な苦しみの方が、耐え難かった。鏡を見るのも人に会うのもどうしても嫌で、せっかく退院できた後も家から出ないようにしていました。こんな姿を子供に見せるのもかわいそうでお風呂に入れてやることもできずに…。だから麻央さんが自分の姿を隠さずにブログにアップして、つらいという素直な気持ちを吐露してくれることに、どれだけ励まされるか…」
家族へ負担はかけたくない、でもどうしても子供たちに触れたい。だけど痩せた姿は見せられない。それでも──逡巡する麻央の気持ちがみんなに伝わる。自宅に戻った麻央は、子供たちとの再会を喜んだ。
《娘が絵本をまるまる1冊読んでくれたのは初めてです》
《今朝、ただいま と、息子を抱きしめた》
そこには麻央の笑顔があった。
※女性セブン2017年6月15日号