着いた場所は、5階建てのまるで団地のような集合住宅だった。高層ビルだらけの中心部とはまったく違う雰囲気だ。
〈第19代文在寅大統領の当選を心よりお祝いします。 住民一同〉
そんな横断幕がかかるそばで、小さなトラックが止まっていた。
偶然目の前で、文氏の引っ越しが行われていたのだ。階段を降りてきた業者は、手にした洋服を次々にトラックに乗せていく。シワだらけのジャケットやワイシャツも多い。確かに質素な引っ越しだ。そばで多くのSPが見守っているのと、不釣り合いに見える。
タクシー運転手は「こんなところに住んでいたなんて……。私だって、もう少し家賃が高い地区に住んでいるのに」と語った。こうした面が「朴槿恵とは違う。文大統領は庶民のことを考えてくれるはずだ」という期待につながっているのだろう。
【PROFILE】1952年、アイダホ州生まれ。1971年、初来日。カリフォルニア州弁護士。83年、テレビ番組「世界まるごとHOWマッチ」にレギュラー出演し、人気に。近著に『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』『日本人は「国際感覚」なんてゴミ箱へ捨てろ!』がある。
※SAPIO2017年7月号