文在寅一覧

【文在寅】に関するニュースを集めたページです。

韓国では政権交代のたびに前大統領が訴追されており…(写真は先の大統領選で勝利した尹錫悦氏/ロイター=共同)
文在寅大統領、政権交代後の「報復逃れ」を狙い検察法改正の悪あがき
 先の大統領選で勝利した保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦氏が気炎を上げるのが、5月9日に任期を終える文在寅・現大統領の逮捕だ。 韓国では政権交代のたびに前大統領が訴追、弾劾、逮捕されており、元検事総長の尹氏も「当然、捜査をする」と現地紙に答えている。「文氏には2018年の蔚山市長選に不正に介入した疑いがあり、すでに現職市長と政府高官ら15人が公職選挙法違反で在宅起訴されています。また私邸の土地を特別扱いで安く購入した疑惑も浮上している」(在韓ジャーナリスト) いずれの疑惑も政権交代後に徹底的に追及されると見られていたが、文政権率いる「共に民主党」が最後の悪あがきをみせた。捜査の妨害に繋がる新法案をぶち上げたのだ。 大韓金融新聞東京支局長の金賢氏が語る。「共に民主党の院内代表・朴洪根議員が4月の国会で検察の捜査権を完全に剥奪する新法案を成立させる意向を明らかにしています。議席の3分の2近くを占める共に民主党がこれを強行した場合、国民の力に対抗手段はない。 そうなれば捜査権は事実上、警察が独占することになる。韓国の警察は政治がらみの事件に対する捜査ノウハウが弱く、新政権による文氏の捜査が難航、あるいは頓挫する可能性も高まります」 文政権期に与党要人に対する捜査を進めた検事たちは、秋美愛氏、朴範界氏の2人の法相が断行した「大虐殺人事」により、軒並み地方に飛ばされた。文氏の逮捕には幾重にも高い壁がある。「こうした逆風を跳ね返して捜査を進めるには、インパクトのある新事実や証拠の提出が求められます。今後しばらく、水面下で激しい情報戦が繰り広げられることが予想されます」(金氏) 報復の歴史が終わる日は来るのか。※週刊ポスト2022年4月22日号
2022.04.12 07:00
週刊ポスト
韓国・青瓦台で行われた文在寅大統領(左)と尹次期大統領の初会談(EPA= 時事)
大統領府移転ほか 韓国・尹錫悦新大統領の「政治改革」は成功するか
 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領が、3月28日、初めて会談した。大統領選から19日後の初会談はこれまでで最も遅いという。ことあるごとに対決姿勢を鮮明にしてきた両者だが、最近、大きな話題となったのが「大統領執務室の移転」を巡る対立だ。 韓国大統領の官邸と執務室がある青瓦台は、ソウル特別市鍾路区の北岳山の麓にあり、もともとは李氏朝鮮の王宮である景福宮があった場所とされ、日本統治時代は朝鮮総督府が置かれていた。人の出入りが厳しく制限された“奥の院”であり、韓国大統領の権威を象徴する場所である。 尹氏は大統領選で公約として、国民との距離を縮めるため、「大統領執務室の移転」を掲げていた。当初は光化門(鍾路区の中央官庁が集まる地域)へ移転するとしていたが、警備上の問題を指摘され、現在は国防部の庁舎がある龍山に移す計画に転じている。それに対し、文氏は当初、移転により空白期間ができ、安保上の問題が生じるとして反対し、執務室移転にかかる費用486億ウォン(約49億1000万円)の支出にストップをかけた。 しかし、大統領を退任する文氏にとって、執務室移転は関係のない事案のはずである。『韓国「反日フェイク」の病理学』などの著書がある韓国人作家の崔碩栄氏はこういう。「現政権の反発は理解しがたい。政府関係者はもちろん、前秘書室長の任鍾晳(イム・ジョンソク)氏もSNSで『尹氏は青瓦台に入るべきだ』と主張している。緊急時の対応に空白が生じることを理由にしているが、2017年5月に北朝鮮がミサイルを打ち上げたにもかかわらず、文大統領は休暇で地方に出かけたので、まるで説得力がない」 文氏が、反対する理由として“北朝鮮の脅威”を口にし始めたことに、違和感を覚える人も多いという。 3月23日に発表された韓国銀行(中央銀行)の総裁人事でも、現政権は尹氏に相談せずに決め、尹氏は「発表の10分前に伝えられた」と不満を露わにしている。「これまでも、左派から右派、あるいは右派から左派へ、政権が引き継がれるときに、在任中の重要資料を渡さないとか、一定期間公開できないように指定するとか、非協力的な態度を取ることはありましたが、これほど目立つ対立が起きたことは記憶にないですね」(崔氏) なぜ文氏は、これほどまでに抵抗する姿勢を示すのか。元朝日新聞ソウル特派員でジャーナリストの前川惠司氏はこう分析する。「実は文大統領も、大統領選のときに青瓦台から光化門への移転を公約にしていたが、警備上の問題で反対されて諦めた。だから、尹氏としては、自分には実行力があると国民にアピールする材料にしたいのです。大統領に就任してから移転を始めれば揉めずにすむのですが、韓国では6月1日から統一地方選挙(自治体の首長や議員などの選挙)が始まるので、その前にポイントを稼いでおきたい。だから、文氏も抵抗しているのです」 対立の背景には選挙があるという。現在、韓国の国会は議員定数300の内、現与党の「共に民主党」が過半数を超える172議席を有している。韓国の国会議員の任期は4年で、前回選挙は2020年4月に実施されたので、少なくとも2024年まで野党優位の状態が続く。 政権交代で与党となる「国民の力」は議会で少数のため、(国会の同意が必要な)ナンバー2の「国務総理」選びからして、尹氏や次期与党の“意のまま”というわけにはいかない。尹氏が掲げた公約にしても、たとえば「女性家族部の廃止」など法改正が必要な政策は、国会の議決を経なければ実現できない。 これで6月の統一地方選まで敗北すれば、尹氏は政権発足早々、内政で“四面楚歌”状態となる。だからこそ、尹氏は執務室移転でポイントを稼ぎたいし、文氏は是が非でも阻止したいというわけだ。「そもそも執務室を移転させることに、ほとんど意味はありません。青瓦台を出て国民の中に入っていくというんですが、韓国の大統領は、普段から青瓦台に籠もってほとんど顔を見せず、記者会見も年に数回しかしないし、記者からの質問に直接答えることもない。日本の首相のように新聞に動静が載ることもありません。 記者に問い詰められたりする姿を見せると、大統領の権威が失われると考えているからです。移転はイメージ戦略に過ぎず、そうした姿勢を変えないと、本当の意味で国民の中に入っていくことにならないでしょう」(前川氏) もちろん、そこまで考えて執務室の移転を進めるのであれば、尹氏は新しい韓国大統領の姿を見せられるかもしれない。◆取材・文/清水典之(フリーライター)
2022.04.01 07:00
NEWSポストセブン
文在寅大統領の“負の遺産”「軽空母建設計画」とは(写真/EPA=時事)
文在寅大統領の“負の遺産”「反日空母計画」の暴走 韓国内で不要論も
 まもなく5年間の任期を終えて退任する韓国の文在寅大統領。先の大統領選では、親日路線をアピールする野党候補の尹錫悦氏(国民の力)が接戦を制し、日韓関係に改善の兆しが見えるが、尹氏の前には文大統領の残す“負の遺産”が重くのしかかる。それが、文政権が進める軽空母建設計画だ。大韓金融新聞東京支局長の金賢氏が語る。「国防力の強化を掲げる文政権が2019年8月にぶちあげたプランで、最新鋭ステルス戦闘機F35Bを搭載できる軽空母を建造しようというものです。日本がいずも型護衛艦の軽空母化を可能にする閣議決定の直後に発表しており、文政権の日本への対抗心が透けて見える計画でした」 韓国国防部は2022年から基本設計に着手し、2033年までに実戦配備する計画を発表しており、2兆300億ウォン(約2000億円)の建造費用を見込む。 だが、このプロジェクトは韓国内で不要論が噴出している。在韓ジャーナリストが語る。「北への脅威に備えるなど表向きの目的はあるものの、韓国の排他的経済水域は日本の10分の1程度で、そもそも守るべき海域が少ない。 与党議員の中には竹島など島嶼群の領有権問題に備えるためだという声もありますが、日本を仮想敵国と想定するような、文政権の露骨な反日政策のために莫大な予算が計上されることに対し、反対意見が絶えないのです」 韓国の民放局SBSは今年1月、この空母計画について特集し、野党議員のハン・ギホ氏(国民の力)が番組内でこう述べた。「我々が日本と戦うのですか? 日本が敵ですか? 敵だと言うなら理解できる。しかし、敵ではない相手を敵のように言いながら、彼らと戦うかのように(空母計画を)やっている」 新大統領の尹氏は、文氏の残した暴走計画を止めることができるか。※週刊ポスト2022年4月8・15日号
2022.03.30 16:00
週刊ポスト
韓国では政権交代の度に前大統領が厳しい追及を受けてきた(写真は文在寅氏/AFP=時事)
韓国・尹新大統領 文在寅氏の逮捕に全力か、野党議員の見せしめ検挙も
 3月9日の韓国大統領選で、保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏が当選を果たした。親日的ともいわれるが、歴代政権の反日転向をみれば、日本側も警戒するのは当然だろう。だが、尹政権に危機感を抱くのは日本だけではない。 むしろ青ざめているのは文在寅大統領と「共に民主党」の面々だ。「当然、(捜査を)する。大統領は関与せず、(捜査機関の)システムによってする」 3月9日、保守系大手紙・中央日報のインタビューで、「大統領に就任したら、文政権への捜査をするか」と問われた尹氏はそう断言した。 この発言に当の文大統領は、「現政権を根拠なく積弊(積もった弊害)捜査の対象に追い込むことに強い憤怒の意を表し、謝罪を要求する」と反発し、「共に民主党」の大統領候補の李在明氏も「大統領に公然と政治報復する意思を表明し、威嚇した」と尹氏を痛烈に批判した。 当事者たちが激しくやり合うのは、韓国では権力者の「捜査する」という言葉が単なる“脅し”では終わらないからだ。韓国では政権交代の度に前大統領が訴追、弾劾、逮捕されてきた。 第11・12代の全斗煥大統領は大統領退任後、光州事件や不正蓄財を追及され、死刑判決を受け(減刑後に特赦)、第13代・盧泰愚大統領も政治資金隠匿や粛軍クーデター、光州事件の責任などを理由に懲役刑に処された(後に恩赦)。 文大統領の盟友である第16代・盧武鉉大統領は実兄が収賄で逮捕された後、自身も収賄疑惑で検察の事情聴取を受けて、自殺にまで追い込まれた。 記憶に新しい朴槿恵前大統領は現職中に弾劾され、収賄などで懲役22年の実刑判決を受けている(後に恩赦で放免)。 第14代・金泳三大統領と第15代・金大中大統領は、本人は訴追されていないが、どちらも息子が収賄で逮捕された。 こうした厳しい追及の背景には、韓国独自の文化があるという。元朝日新聞社ソウル特派員の前川惠司氏が語る。「韓国には『旧官は良官』との諺があり、これは李氏朝鮮時代から、新しい権力者が出てくると、より過酷な圧政をすることを表わした言葉です。そのため現政権は『旧官よりも良い官であること』をアピールしたがり、古い権力者を叩くことに躍起になります。前の権力者の罪を糾弾することにより、自分の政権の求心力を高めるのです」 政権浮揚のため、前政権の腐敗を徹底的に追及する――それが韓国政治のお家芸なのだ。個人的な「恨」 一連の“実績”があるだけに、新政権を担う保守派は文大統領の訴追に前のめりのようだ。前川氏が語る。「保守派からは、北朝鮮との融和策を示しながらまったく結果を残せなかった文氏に対し、国家内乱罪で即刻逮捕すべきという声が上がっています」 さらに尹氏には、文大統領に対する個人的な「恨」がある。そもそも尹氏は、朴前大統領の収賄事件捜査で名をあげて、文政権下で検察トップの検事総長に抜擢された。 だがその後、曹国元法相ら文大統領の側近に対する疑惑や検察改革をめぐって文政権と対立するようになり、「反文在寅」を掲げる野党の大統領候補となった経緯がある。コリア・レポート編集長の辺真一氏が語る。「尹氏は検察時代、曺氏に10以上の罪状をつけて徹底的に捜査しました。さらに曹氏の娘の不正入学問題にまで切り込んで、文氏と激しく対立した。親分肌の血気盛んな性格だけに、今後の文氏の追及についても妥協せず、徹底的に追い込むでしょう」 文大統領の敵は尹氏だけではない。韓国に詳しいジャーナリストの室谷克実氏が語る。「文氏は親日清算を掲げて、朴政権の要人を監獄に送り、保守派の公務員や文氏の側近を捜査する検事を一斉に左遷するなどの理不尽な人事を繰り返しました。歴代大統領は不正や腐敗で裁かれたが、文氏に対しては冷や飯を食わされた者の恨みが募りに募っている。このため多くの人間が躍起になって文氏を標的にする可能性があります。 文氏には2018年の蔚山市長選に不当に介入した疑惑や、特別扱いで私邸の土地を購入した疑惑もあります。こうした疑惑についても徹底的に追及されるでしょう」 ただし現在、韓国の国会は「共に民主党」が議席の3分の2近くを占めており、尹氏は厳しい政権運営を迫られる。 このため前川氏は「尹氏が動くのは2年後ではないか」と指摘する。「尹氏としては今すぐにでも報復したいはずだが、少数与党の状況下ではなかなか実行に移せません。尹氏は時勢の流れを見るのに長けているので、世論と政局の動きを見ながら最も効果的なタイミングで文氏の疑惑を立件し、一気に逮捕・収監する構想を描いているはずです。まずは堅調に政権を運営して、2024年4月に行なわれる次期国会議員選挙に勝利を収めたタイミングで動くことになるでしょう。 ただし文氏もその時期については熟知しているはずなので、いざとなれば海外逃亡や同盟国への亡命に踏み切るかもしれません」(前川氏) 尹氏の報復相手は、文大統領にとどまらない。冒頭の中央日報インタビューで尹氏は、対立候補だった李氏の土地開発をめぐる疑惑についても、「再捜査すべきだ」と断じた。 この先、尹氏が李氏を中心とする野党議員を相手に大立ち回りを演じる可能性は否定できないという。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授の李鐘元氏が語る。「あくまで噂ですが、野党となる『共に民主党』を切り崩すために、一部の議員を見せしめ的にスキャンダルなどで検挙するのでは、との話も出ました。国会の劣勢を補うために強引な野党分断に走れば、また政治闘争となって韓国国内が大混乱に陥るのは必至です。その韓国内の政治の停滞は、ひいては日韓関係改善の遅延にも繋がりかねません」 李氏朝鮮の祖・李成桂は前王朝の高麗王家を女子供まですべて処刑した。その後も王姓の者を皆殺しにしようとしたため、多くの者が改姓したとされる。 尹氏もまた、文政権につながる者を根絶やしにするつもりだろうか。※週刊ポスト2022年4月1日号
2022.03.20 11:00
週刊ポスト
勝利宣言した尹錫悦氏(Getty Images)
尹錫悦・新大統領「自衛隊を北朝鮮へ」発言で露呈した外交感覚の欠如
 韓国大統領選挙(3月9日投開票)で接戦の末、第20代大統領に選出された保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏。今後は喫緊の課題となっている不動産価格の超高騰問題やコロナ対策などの内政に力を注ぐことになりそうだが、日本にとっても重要となるのが、尹政権の対北朝鮮政策だ。 ロイター通信は、〈尹氏は強硬な軍事戦略を約束し、北朝鮮の極超音速ミサイル発射が差し迫った場合、対抗する唯一の手段は先制打撃かもしれない、と発言している〉と報じるなど、対話路線だった文在寅政権から一転、強硬路線に舵を切ると見られている。コリア・レポート編集長の辺真一氏が語る。「韓国の歴代保守政権は、基本的には北朝鮮に対して『圧力と制裁』を重視した政策を実施し、一方で文在寅や金大中などの左派政権は『対話路線』を敷いてきました。政権が代わるごとに、いわゆる保守の北風政策と左派の太陽政策が繰り返されてきたのです。 しかし、北朝鮮はこうした韓国の対応にすっかり慣れてしまっている。そのため、尹氏がこれから打ち出していくであろう軍事的・経済的な『圧力と制裁』がどこまで有効なのかは疑問が残ります。実際、北朝鮮が制裁に屈して核実験やミサイル発射を中止したことは一度もありません」 これまで一向に効果が見らなかった韓国の北朝鮮政策だが、解決へと導くため尹政権は日本を巻き込んだ政策を積極的に打ち出す可能性がある。 尹氏は2月25日に行なわれた討論会で、日米韓の軍事同盟の可能性について言及。その場で、「有事の際、(日本の自衛隊が)入ってくることはあり得るかもしれない」と発言したことが韓国内で大きな波紋を呼んだ。辺氏が語る。「現在、北朝鮮がミサイル発射実験を繰り返していますが、ミサイルを乱射すればするほど、それを脅威とする韓国と日本が接近するきっかけになります。これから韓国と日本が北朝鮮問題で距離を縮めていく可能性は十分ありますが、自衛隊が北朝鮮に入ることなど考えられない。仮に北朝鮮が韓国内への攻撃を開始して、米国とともに交戦するような状況が生まれたとしても、在韓邦人や在韓米国人の国外脱出を受け入れる可能性があるくらいです。 この日米韓軍事同盟発言も、政治素人である尹氏が深く考えずに口走ってしまったと思われます。いずれにして日本は、外交にまったく素養がない尹政権と北朝鮮問題に取り組んでいかなければならず、課題は山積みでしょう」
2022.03.15 07:00
NEWSポストセブン
朴槿恵前大統領の獄中手記が波紋を広げている(写真/共同通信社)
獄中手記も話題、朴槿恵氏の“恨の矛先”が韓国大統領選のカギを握る
 3月9日に行なわれる韓国大統領選が終盤戦に入り、大混戦となっている。わずかにリードする保守系最大野党「国民の力」の候補である尹錫悦氏を革新系与党「共に民主党」候補の李在明氏が追いかけているが、開票まで目が離せない展開だ。そんななか、“前大統領の手記”が韓国で発売され、注目を集めている。「昨年末、現・文在寅政権の恩赦で釈放された朴槿恵前大統領の獄中手記が発売されてベストセラーとなり、朴氏の今後の言動が注目されています」 そう説明するのは、コリア・レポート編集長の辺真一氏だ。収賄などの罪で服役していた朴氏は恩赦と同時に、獄中で支持者と交わした手紙を『恋しさは誰にでも生まれるものではありません』というタイトルの手記として出版。その内容が波紋を広げているというのだ。「手記には、大統領選の候補である尹氏に対する恨みつらみと受け取れる心境が綴られています。というのも、朴氏弾劾事件で検察の捜査チーム長として指揮を執っていたのが尹氏です。一方で、尹氏を擁立する『国民の力』は朴氏がトップだった『セヌリ党』の流れを汲む保守系政党。朴氏が今後、尹氏を支持するか否かで選挙の風向きが変わる可能性があるのです」(辺氏) 時系列を整理すると、尹氏は朴氏の捜査で名をあげて文政権下で検事総長に起用されるも、今度は文氏の側近の疑惑を追及。政権と対立する存在となったために、保守系野党から「反文在寅」の象徴として担がれたというややこしい経緯がある。状況は複雑なのだ。「逮捕されたとはいえ、朴氏は保守政党の前党首であり保守系の支持層にとってはシンボルです。彼らにとって朴氏は、敵である文政権から政治的な迫害を受けた“ジャンヌ・ダルク”のように捉えられている。 朴氏は一貫して無実を主張してきました。このまま尹氏を支持すれば自分の事件を認めたことになってしまいます。一方、尹氏を批判すれば自身の支持層が支えてきた政党には逆風となる」(辺氏) 尹氏にとっても大誤算だったのだろう。「朴氏は現在入院中ですが、2月には退院すると見られています。文在寅への憎しみと尹氏への憎しみ。どちらが彼女にとって大きいのか見ものです」(辺氏) 朴氏の決断やいかに。※週刊ポスト2022年2月11日号
2022.02.02 07:00
週刊ポスト
文在寅政権(写真/EPA=時事)
韓国・文大統領「外交的ボイコットせず」政権末期で中国すり寄り鮮明
 韓国の文在寅大統領は12月13日、中国の人権問題を理由とした北京冬季五輪への「外交的ボイコット」について、「韓国政府は検討していない」と表明した。アメリカが政府代表団を派遣しないことを決定したことに追随する形で、オーストラリア、イギリス、カナダが次々と外交的ボイコットを表明。日本も閣僚の派遣を見送る方針であることが伝えられる中、韓国はアメリカの同盟国でありながら、他国とは一線を画し中国に協力する道を選んだことになる。 文氏は外交的ボイコットをしない理由について「米国をはじめとするどの国からも、(ボイコットに)参加を求められたことはない」と述べた上で、「経済的な側面では中国との関係もとても重要だ」と語った。発言の真意について、韓国人ジャーナリストが分析する。「文政権の支持率は新型コロナの感染拡大や景気の悪化で30%台と低迷を続けており、来年3月の大統領選を前に早くも“レームダック(死に体)状態”となっています。しかし、歴代の韓国大統領が退任後にスキャンダルに見舞われる悲惨の歴史を辿ってきたことを考えると、文氏としては強い後ろ盾を得た上で任期を終えたい。 そこで頼ったのが中国です。韓国最大の貿易相手国である中国は、2016年に米軍の最新鋭迎撃システム『高高度防衛ミサイル(THAAD)』の韓国配備に絡み、韓国の製品や娯楽作品などを中国市場から排除する事実上の経済制裁を科してきましたが、自らの任期中にこれを解きたいという気持ちが文氏にはあった。北京五輪の外交的ボイコットについて、あえて“検討すらしない”と表明したのは、経済制裁を解いて欲しいという中国への猛烈なアピールでしょう」 この表明に、中国外交部の汪文斌副報道局長は「オリンピック精神に符合し、中韓友好の表れだ。中国は、これを積極的に評価する」と手放しで称賛。それに前後し、中国では経済制裁以来止まっていた韓国映画の公開が6年ぶりに始まった。北京五輪を支持する姿勢をみせていることへの見返りとみられている。「韓国政府は外交的ボイコット拒否を表明した同日、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への加盟申請の手続きを開始すると表明しました。これも、中国がTPPに加盟申請したことに追随した動きです。もはや文氏にとっては、アメリカや日本よりも中国との関係が最優先ということなのでしょう」(同前) このまま文氏が任期満了まで突き進むと、どれだけの親中国家となった状態で次期政権に引き継がれるのか。日本としては注視が必要だ。
2021.12.19 07:00
NEWSポストセブン
【動画】韓国・文在寅大統領が突然「犬肉食禁止」打ち出した背景
【動画】韓国・文在寅大統領が突然「犬肉食禁止」打ち出した背景
 任期満了まで8か月を切った韓国の文在寅大統領が、食文化として根付いてきた“犬肉食”を禁じる法制定について「検討する時が来た」との見解を示しました。 韓国・漢陽女子大学准教授の平井敏晴氏は「任期満了を前に、若い世代の“文在寅離れ”が加速しています。特に、20~30代の支持率は急落しているので、クリーンなイメージを残したいという思いがあるのでは」と指摘。 欧米諸国から“犬を食べる国”と批判されないための戦略とも考えられています。【↑ 上の写真クリックで動画へ】
2021.10.14 16:00
NEWSポストセブン
韓国で犬肉食に変化が
愛犬家の文在寅大統領が突然「犬肉食禁止」と言い出した理由
 任期満了まで8か月を切った韓国・文在寅大統領の発言が、同国内で波紋を広げている。9月27日の金富謙首相らとの定例会合で、食文化として根付いてきた“犬肉食”を禁じる法制定について、「検討する時が来た」との見解を示したからだ。愛犬家からは歓迎の声が上がる一方、「民族の食文化を冒涜している」との批判もある。 韓国では古くから犬肉スープの「補身湯(ポシンタン)」や、スライスして茹でた犬肉の「スユク」といった料理が滋養食として珍重されてきた。街には専門店もあるが、その数は年々減少しているという。「1981年にソウル五輪の開催が決まると、当局は犬肉食文化のない欧米諸国からの批判をかわすことに躍起になった。1988年のソウル五輪、2002年のサッカーW杯、2018年の平昌五輪など大きな国際イベントのたびに、犬肉料理店に営業禁止命令や自粛要請が出され、隅に追いやられていったのです」(韓国紙記者) 韓国人の「犬肉離れ」が急速に進んでいるという現実もある。昨年行なわれた、米国の動物保護団体と韓国の市場調査機関による合同調査では、アンケートに答えた韓国国民の約8割が「犬肉を食べたことがない」と回答している。「犬肉を好んで食べるのは主に50代以上の男性です。その下の世代はペットとして犬を飼う人も多く、犬肉食に嫌悪感を抱く若者は少なくありません」(前出・記者) そうした中、昨年発生した“ある事件”は多くの韓国人に衝撃を与えた。「韓国の天然記念物に指定されている“珍島犬”の親子を『大切に育てる』と偽り知人から譲り受けた70代男性が、譲渡からわずか2時間あまりのうちに2匹とも殺して食べてしまったのです。男性は詐欺と動物保護法違反で在宅起訴され懲役6か月の実刑、事件に加担した食肉処理業者には執行猶予付きの有罪判決が言い渡されました」(同前) 韓国の現行法上、食肉用として育てた犬を処理し食べることに違法性はない。処理には電気ショックが用いられるのが一般的とされるが、劣悪な環境で飼育した犬を不法に処理する業者は後を絶たず、動物保護法違反や食品衛生法違反で摘発されるケースは少なくないという。 ここにきて、文氏が「犬肉食禁止」に言及したのはなぜか。韓国・漢陽女子大学准教授の平井敏晴氏が指摘する。「任期満了を前に、若い世代の“文在寅離れ”が加速しています。特に、20~30代の支持率は急落しているので、クリーンなイメージを残したいという思いがあるのでは。韓国は今年7月、国連貿易開発会議(UNCTAD)に“先進国指定”されたこともあり、欧米諸国から『犬を食べる国』と批判されないよう、先手を打とうとしているとも考えられます」 次期大統領選の有力候補、与党「共に民主党」の李在明氏も「犬の食用禁止」を公約に掲げており、犬肉食はいまや韓国政界の重要テーマになっている。だが、韓国の動物保護団体「セーブ・コリアンドッグス保護所」のキム・ナミ氏は冷ややかな反応だ。「最後に言及してくれたのは良いものの、文大統領自身も前回大統領選の際に“動物愛護”の公約を掲げながら、犬肉食の禁止については何一つ行動を起こさなかった。その埋め合わせとしてこの問題に触れたのではないでしょうか。法律で禁止されても闇市場が現われるでしょうし、すぐに問題が解決するとは思えません」 文氏は大の愛犬家として知られる。青瓦台(韓国大統領府)でも複数の犬を飼育し、その中には、北朝鮮の金正恩氏から贈られた特別天然記念物「豊山犬」も含まれる。動物愛護と伝統的な食文化の狭間で、文大統領はどのような決断を下すのか。
2021.10.06 07:00
NEWSポストセブン
古地図に見入る文大統領は歴史をまるで知らなかった(EPA=時事)
文在寅が狂喜した「独島の古地図」は韓国の嘘の動かぬ証拠だ
 G7サミットでは記念写真にも入れてもらえず意気消沈の文在寅・韓国大統領は、そのあと訪問したスペインで、またもや勘違い発言で恥をかいた。同国の上院図書館を訪問して見せられた18世紀の『朝鮮王国全図』に、「鬱陵島」と「于山島」が朝鮮の領土として描かれていたことに小躍りし、「独島(日本領「竹島」の韓国名)が韓国の領土であることを示す貴重な資料と言える」と宣言したのである。韓国のメディアやネット民も大喜びし、「この地図を複製して持ち帰るべきだ」などと盛り上がっている。が、残念ながら文氏も韓国世論も無知すぎる。この地図は、むしろ逆に韓国の竹島不法占拠を裏付けるものだからである。 例えば19世紀末に韓国で作られた『大韓地誌』などでも、于山島は韓国領と記されている。これまで韓国は、「于山島は独島のことであり、歴史的に韓国領だった」と同じ主張を繰り返してきたが、今回のスペイン所蔵の地図でも裏付けられたように、この于山島は日本の竹島とは全く別の島を指しているのである。『日本人が知っておくべき竹島・尖閣の真相』(小学館刊)に詳しいが、数々の歴史書や古地図から、于山島は竹島のことではなく、鬱陵島のそばにある小島「竹嶼」を指すことが明白だからである。 大韓地誌では、于山島は鬱陵島に寄り添う小島として描かれている。鬱陵島の北東3キロに現在も存在する「竹嶼」は、鬱蒼とした竹林が広がる周囲わずか1.5キロの小島で、現地には「竹島地区」と表示された看板も立っている。スイカ畑が広がるのどかな島である。一方、本物の竹島は鬱陵島から南東に90キロ以上離れており、古地図に描かれた于山島とは完全に矛盾する。さらに今回見つかった地図では、于山島はなんと鬱陵島の南西側(朝鮮半島に近い側)に描かれており、これが竹島を指すというのはひどいこじつけである。ちなみに、韓国の古地図でも于山島が鬱陵島の西側に描かれているものが見つかっており、この間違いは古くからあったようだ。 当の韓国側の文献を調べれば、文氏や韓国政府の嘘がますます明白になる。15世紀に朝鮮で編纂された『世宗実録地理志』には、于山島についてこんな記述がある。「于山、武陵(鬱陵島のこと)の二島、県の正東の海中にあり、相去ること遠からず。風日清明なればすなわち望み見るべし」 于山島が「竹嶼」のことであれば、鬱陵島からわずか3キロの距離だから、天気が良ければ「望み見る」ことができるのは当然だ。一方、本物の「竹島」は90キロも離れており、望遠鏡がある現代ならいざ知らず、当時はよほど天気が良くても鬱陵島から見ることは困難だし、「遠からず」と表現される距離ではない。さらに、その少し後に作られた16世紀の地理書『新増東国輿地勝覧』には、鬱陵島から望む于山島について、「樹木やふもとの渚が歴々と見える」と記されている。竹島には樹木はないから、これが竹島の記述でないことは明らかだ。まして、90キロも離れた竹島の樹木や渚が「歴々と(ありありと)」見えるはずがない。また、18世紀朝鮮の文献を集めた『東国文献備考』にはこうある。「鬱陵、于山はみな于山国の地。于山はすなわち倭(日本)のいわゆる松島なり」 少し説明が必要だ。日本では古くは鬱陵島を「竹島」(おそらく竹林に覆われていたことによる)と呼び、現在の竹島は「松島」と呼んでいた。韓国は上記の記述を「于山は独島のことだ」とする根拠にしているが、ねじ曲げた解釈にも程がある。素直に読めば、日本が松島(現在の竹島)だけでなく、鬱陵島、于山島までを支配していたことを指すとわかる。これも多くの文献からわかっている史実と一致しており、その後、明治政府が竹島を正式に領土とする際に、鬱陵島、于山島の領有を放棄するかわりに「松島」を領有し、その際に名称を「竹島」に変えたのである。さかのぼると、江戸時代にも朝鮮の要請によって徳川幕府が鬱陵島に進出していた日本の漁民に渡航禁止を命じた記録がある。つまり、日本人はその頃までは竹島(当時は松島)はもちろん、鬱陵島や于山島まで進出して実効支配していたが、江戸・明治期に、鬱陵島と于山島は韓国に譲り、竹島を領有したのである。 挙げればキリがないが、朝鮮側の文献をもう一つ。15世紀の歴史を記した『太宗実録』に、こう書かれている。「武陵島は周囲が七息(息は長さの単位で1息は約13キロ)で、傍らに小島がある。その田(畑のこと)は五十余結(結は面積の単位で1結は約1ヘクタール)で、入る道は人ひとりがやっと通れるくらいで、二人が並ぶことはできない」 現在の「竹嶼」にも島に入る狭い道があり、その先にスイカ畑が広がっている。この記述からは、およそ600年前にはすでにこの小島が広く知られていたことがわかる。なお、本物の竹島には島に入る道などなく、畑になるような土地もなければ、前述のように樹木も生えない岩稜の島である。この記述が竹島を指したものでないことは言うまでもない。 そして、明治時代に日本が正式に領土とした竹島は、戦後のどさくさに紛れて韓国の李承晩・大統領が不法占拠した。アメリカも公式文書で日本の領土であることを通告していたが、韓国は今日に至るまで占拠を続けている。そうした歴史や文献を知らないのか、知っていて嘘をついているのか、文大統領や韓国政府の蛮行は、ますますエスカレートしている。スペインで見つかった地図にも「于山島」が記述されていたことは、むしろ日本が国際社会に対して韓国の嘘を証明する動かぬ証拠となるだろう。
2021.06.20 07:00
NEWSポストセブン
高くついた「避暑地のバカンス」(PA Images/時事通信フォト)
G7で相手にされなかった文在寅大統領の悲しき自己陶酔ブログ
 EU(欧州連合)離脱後、イギリスにとって最初の外交ビッグイベントだったG7首脳会議は、欧米主導の反中国ブロック構築の場となった。案の定、中国は「小さなグループが世界の事案を決める時代は遠い昔に終わった。エセ多国主義以外のなにものでもない」(在英中国大使館)と激しく反発した。 ホストのボリス・ジョンソン英首相は、今回のサミットに旧英連邦のインド、オーストラリア、南アフリカ、さらに韓国をゲストとして招いた。豪印は日米主導のインド太平洋クアッドの参加国、韓国はアメリカがクアッドに参加させたい第一候補だ。 招待状を受け取った文在寅氏は小躍りした。韓国の大統領がG7サミットに招かれるのは今回が初めて。文氏は意気揚々と英南西部のコーンウォールに乗り込んだ。風光明媚な避暑地で、アガサ・クリスティの推理小説の舞台にもなった場所だ。 ところが、その期待は見事に裏切られた。文氏はG7サミットのメンバーズ・オンリーの正式会議にも、エリザベス英女王との面会にも参加は許されなかったのである。出られたのはG7首脳とゲスト4か国首脳が自由と人権について意見交換するセッションだけ。サミット恒例の首脳が一堂に会す記念撮影にも招かれなかった。 当然、世界中から集まったメディアも文氏の言動についてはほとんど報道しなかった。唯一、ニュースネタにしようと待ち構えていた菅義偉・首相との日韓首脳会談も、ジョー・バイデン米大統領を仲介役にした日米韓首脳会談も実現せず。日韓以外の報道では、まるで文氏はそこにいなかったような完全無視に終わった。 サミットに花を添えたのは、エリザベス女王とバイデン大統領夫人のジルさんだった。女王は各国首脳7人との写真撮影で、横に立つジョンソン氏に「楽しそうにすべきかしら」とユーモアたっぷりに尋ねて雰囲気を和らげ、ジルさんは背中に「LOVE」と書かれた濃紺のジャケットを着て、「アメリカから愛を届けに来ました」とG7の連帯と団結を呼びかけた。教育学博士の面目如実といったところだ。それに比べて文在寅夫人の金正淑(キム・ジョンスク)さんは全く見せ場がなかった(もっとも、菅真理子夫人も出番はなかったが)。 とまあ、イギリスまで恥をかきに行ったような文氏だったが、のこのこ出かけていったのには伏線があった。ジョンソン氏は反中網を広げるために準経済大国であるオーストラリア、インド、南アに加え、韓国を誘い込む必要があると考え、それにバイデン氏が賛同した。アメリカは、5月の米韓首脳会談で韓国に「台湾海峡」条項を飲ませ、中国離れの「証文」を書かせた。そのうえでクアッド入りを促す戦略を描いていた。 ところが、サミットへの韓国招待に日本が反対し、独仏伊も追随しかけた。4か国は、サミットの拡大よりも「G7のタガを締める」ことを優先すべきと主張していた。むろん日本にとっては、G7で唯一のアジア代表という地位へのこだわりがあったし、日韓の確執も背景にあっただろう。最終的に米英のプランが通ったわけだが、反対した各国への配慮から、韓国は“呼ばれはしたけど蚊帳の外”という屈辱的な扱いを受けることになった。 G7閉幕後、文氏はブログでこう述べた(一部抜粋)。「我々は国の品格と国力に見合った約束をした。先進国と開発途上国の懸け橋を担うことを強調できた。1907年にハーグで開かれた万国平和会議では、日本の朝鮮侵略・略奪を訴えようとした密使・李儁(イ・ジュン)は会議場にすら入れなかった。その韓国が今や、民主主義、防疫、環境問題で堂々と意見を述べ、行動する国家になったのだ」 なんとか成果を強調したい気持ちがにじみ出ているが、残念ながら文氏が署名したのはG7共同コミュニケではない。付属文書の「オープン・ソサエティズ・ステートメント」(開かれた社会を有する諸国による声明)だ。この文書の意味は、法治主義や民主主義、言論の自由、人権を無視する中国に団結して立ち向かうことを国際公約した「証文」である。 文氏が渡英する直前、中国の王毅・外相は、韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官に電話して、「韓国は中国の友好的な隣国であり、戦略パートナーだ。くれぐれもアメリカの偏った動きに惑わされないように、流されないように」と釘を刺していた。青瓦台はこの中国の圧力を隠していたが、韓国の外交専門家は「属国扱いの脅迫だ」と憤慨している。 お土産もなく帰国した文氏は、中国からの報復も覚悟しなければならない。米中韓関係を長年ウォッチしてきた米シンクタンクの研究員はこう語る。「英語にNavel-gazing(自分のヘソを凝視する=自己陶酔)という表現がある。今の文在寅氏と取り巻きは、まさにそれだ。米中両国の戦略的パートナーに同時になれるはずがないのに、それがわかっていない」 自分のヘソばかり見ていて、国際情勢のヘソがわかっていなかったということか。■高濱賛(在米ジャーナリスト)
2021.06.16 07:00
NEWSポストセブン
住民の間では新型コロナウイルスの感染拡大や防疫措置などによる不満が高まっていたという
金正恩総書記の外交活動の画報出版 韓国・文在寅氏の会談は全無視
 北朝鮮の官営出版社は5月、金正恩朝鮮労働党総書記の首脳外交の記録写真をまとめた画報を出版したが、2018年の1年間で3回も会談した韓国の文在寅大統領との首脳会談の写真は1枚もなかったことが分かった。韓国以外の首脳との会談では、中国や米国、ロシアなどとの外交活動を記録した写真が掲載されており、省かれたのは文氏との会談だけだった。 北朝鮮が金氏の首脳外交などを収めた画報から南北首脳会談のみを省いたのは、韓国との関係を「対外関係」とみなしていないとの可能性もあるが、いずれにしても、文氏との写真が掲載されなかったのは、南北関係の冷え込みが反映されたものとみられる。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。 出版された画報は「対外関係発展の新時代を開いて」と題するもので、2018年3月から2019年6月までの間に、金氏が首脳らと会談をした際の写真を記録しており、今年5月に発行されている。中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領など友好国の首脳との会談をはじめ、トランプ米大統領(当時)との首脳会談の模様も収められている。 同書は2018年6月のシンガポールでの史上初の米朝首脳会談について、「朝米(米朝)関係の新たな歴史を開拓した世紀の出会い」と礼賛しており、金・トランプ両氏の握手する姿や会談の模様、共同声明への署名、会談会場の全景、記念硬貨・切手、会談の内容など、写真を交えてこと細かに記載している。 物別れと終わった2019年2月の米朝ハノイ会談についても、「知恵と忍耐を発揮すれば難関と曲折を乗り越え、朝米関係を発展させることができる」とする金氏の発言を紹介。2019年6月の板門店会談に関しても「根深い敵対国家として反目してきた両国の間に前例のない信頼が築かれた驚くべき事変だ」と指摘するなど、今後の対米関係改善に期待を持たせる記述が目立つ。 北朝鮮の最友好国である中国の習氏との首脳会談については2ページ見開きで掲載するなど破格の扱いで、北朝鮮の中国に対する配慮が鮮明に現れている。とくに、北朝鮮は画報の出版に合わせて、北京の北朝鮮大使館や瀋陽総領事館、同総領事館丹東支部の中国3カ所で、金氏の中国訪問3周年を記念した写真展が開催するなどの力の入れようで「中朝蜜月関係」を誇示している。 これとは打って変わって、画報には2018年に3回も会談した文氏との写真や記事すらもなく、文氏は全く無視されている。金氏の妹、金与正党副部長は5月2日に発表した談話で、韓国の脱北者団体が北朝鮮に向けて体制批判のビラを散布したことを非難し、その責任は「きちんと統制しなかった南朝鮮(韓国)当局が負うべきだ」と主張するなど、画報が南北首脳会談について一言も言及していないのは、韓国との関係断絶を印象付ける意図があるようだ
2021.05.23 07:00
NEWSポストセブン
文在寅大統領の外交が米韓関係に影響?(写真/EPA=時事)
文在寅大統領の“逆ギレ媚中外交”にバイデン大統領があきれ返っている
 5月21日の米韓首脳会談を前に、文在寅政権が窮地に陥っている。「文大統領は『4月中に首脳会談を行なった日本に負けまい』と会談の早期実現に注力したが一向に正式日程が発表されず、発表直前には会談延期を危ぶむ当局関係者の声が報じられた。背景には米韓の足並みの乱れがありました」(韓国・漢陽女子大学助教授の平井敏晴氏) 両国に横たわる軋轢のひとつが、新型コロナワクチンを巡る応酬だ。「一時は支持率が30%を切った文大統領にとってコロナ対策は生命線ですが、米国にワクチン支援を要請したら『そんな余裕はない』と一蹴された。すると文大統領は『ワクチン開発国が自国優先主義を取り、強大国がワクチンを買い占めている』と米国批判のトーンを高めたのです」(同前) それと前後し、文大統領は、「発展途上国にワクチンを寄付している中国政府の努力を高く評価する」と言い放ち、あからさまな「媚中」の姿勢を見せた。「そうしたタイミングを見計らい、中国海警局は4月末に韓国海洋警察庁と合同で実施した洋上パトロールの映像を公開しました。パトロールは朴槿恵政権時代から両国間の海域で定期的に行なわれていますが、映像の公開は恐らく初めて。尖閣や台湾問題で中国の軍拡に神経を尖らせるバイデン大統領を刺激したことは想像に難くありません」(同前) ワクチン確保に焦る文大統領が米国の「虎の尾」を踏んだとみられているのだ。バイデン氏はどう出るか。「韓国マスコミは『菅(義偉)首相と同様に文大統領にハンバーガーが振る舞われるのか』などと相変わらず日本を意識した報道を行なっていますが、中国制裁網に加わらない韓国にバイデン大統領は苛立ちを募らせている。首脳会談では、“米国と中国のどちらを選ぶのか”と文大統領に踏み絵を迫る可能性が高い」(ジャーナリストの前川惠司氏) 文大統領の「決断」が注目される。※週刊ポスト2021年5月21日号
2021.05.13 07:00
週刊ポスト
早くも決裂確定?(AFP=時事)
空気の読めない文在寅が首脳会談前からバイデンを激怒させた
 訪米を一か月後に控えた韓国の文在寅・大統領の最近の言動に、ジョー・バイデン大統領周辺はぶ然としている。ホワイトハウス関係筋は、「文在寅という人物はワシントンの空気が読めないのか、それとも外務省の情報活動がマヒしているのか。せっかくセットした首脳会談を最初からぶち壊すつもりのようだ」と吐き捨てるように言う。 文氏は4月20日に中国で開催された博鰲(ボアオ)アジア・フォーラムにオンラインで参加し、「開発途上国へのワクチン寄付など様々なコロナ対策支援活動をしている中国の努力を高く評価する」と絶賛した。同フォーラムはスイス主導のダボス・フォーラムに対抗して習近平・国家主席の肝いりで設置されたもので、今年は東南アジア諸国の政財界トップが集まったが、アメリカの同盟国で参加したのは韓国とニュージーランドだけ。 これにアメリカが苛立つのは当然だが、文氏にとっては背に腹は代えられない事情もある。目下の急務は日本同様に安定的なワクチン確保だが、買い付け交渉の不手際に加え、米国が自国のワクチン備蓄のために国防物資生産法を発動したため、ワクチン入手のめどが立たなくなっているのだ。韓国主要紙のベテラン記者は韓国側の窮状をこう語る。「アメリカは、ワクチン製造に必要な37種類の原料、設備の輸出を規制した。そのあおりを受けて世界最大のワクチン製造受託機関のインド血清研究所がワクチン生産を中断する危機に直面している。同研究所は英アストラゼネカや米ノババックスのワクチンなどを月平均1億6000万回分生産してきた。さらに欧州でのワクチン生産にも支障が出れば、韓国はワクチン配布が完全にストップする」 そんな恨み節があるからといって、文氏がアメリカと「新冷戦」状態の中国のコロナ対策を賞賛したのはまずかった。アメリカから見れば、自国優先を進めるバイデン大統領への当てつけとしか映らない。文氏周辺では、韓国が競争力を持つ半導体や自動車用バッテリーを交換材料にアメリカからワクチンを確保しようという強硬論まで出ているが、これも逆効果しかない。 経済の必需品を人質にしようという韓国の動きはアメリカをさらに刺激してしまった。米国務省報道官は21日、今後のワクチン供給について、「まずアメリカ国民の健康と安全が第一だ。対外的な支援についてはカナダ、メキシコ、そしてクアッド(日豪印)と協議している」と語り、韓国をバッサリと切り捨てている。 さらにバイデン氏をイラつかせているのが、文氏のニューヨーク・タイムズとの単独会見だ。バイデン政権は北朝鮮政策について、「金正恩・総書記が具体的な提案を示さない限り直接対話には応じない」というスタンスで、トランプ前大統領のような「外交ショー」はしないというのが基本姿勢だが、そのトランプ氏をそそのかして「仲介役」を演じてきた文氏は、インタビューでこう言ってのけた。「トランプ氏の対北朝鮮政策は、獲物の隠れている場所を直接叩くのではなく、その周辺の藪ばかり叩いていたから完全には成功しなかった。バイデン氏は今こそ金正恩氏と直接対話すべきだ。朝鮮半島の完全な非核化と平和定着のために現実的で不可逆的な進展を達成して歴史に名を残すことを願っている」「不可逆的」(irreversible)とは、日本との慰安婦合意で朴槿恵・前大統領が使った表現。それをひっくり返したのは文氏だから、日韓合意にオバマ政権の副大統領として立ち会ったバイデン氏も心穏やかではないはずだ。 今回のインタビュアーはニューヨーク・タイムズのソウル支局長であるチョイ・サン・フン氏。韓国外国語大学大学院卒で、AP通信時代に、朝鮮戦争当時の米兵による韓国住民虐殺事件の調査報道でピューリッツァー賞を受賞してニューヨーク・タイムズに引き抜かれたやり手だ。韓国人同士でもあり、文氏は気が緩んで米紙とのインタビューだという緊張感が抜けていたのかもしれないが、かつてソウル特派員だった白人のベテラン記者は、「上から目線でバイデン氏を諭すような文氏の口ぶりは鼻につく」とコメントしている。 バイデン氏と初の対面首脳会談を実現した菅義偉・首相には夕食会も用意されず、「ハンバーガー・ランチ会談」だったことが物議をかもしたが、その菅氏に対抗心を燃やして実現にこぎ着けた米韓首脳会談では、「ハンバーガーどころかお茶も出そうにない雰囲気」(米主要紙国務省担当記者)だという。■高濱賛(在米ジャーナリスト)
2021.04.25 07:00
NEWSポストセブン
韓国では日韓の歴史をテーマにした「反日玩具」が続々登場…
韓国で伊藤博文暗殺事件の反日玩具 安倍氏を模した犬用マスコットも
 韓国でも観客動員数が100万人を突破するヒットとなった日本のアニメ映画『鬼滅の刃』。日本国内の観客動員数は2800万人を超え、歴代1位の興行収入となった代表作だけに、隣国での好評は喜ばしい。 だが、思わぬところから“火の手”があがった。主人公・炭治郎が着ける耳飾りが「旭日旗を連想させる」として、韓国の市民団体が抗議の声を上げたのだ。 韓国・漢陽女子大学助教授の平井敏晴氏が語る。「市民団体の抗議により、すでに韓国版映画のデザインは変更されています。しかし、市民団体はそれに留まらず、アニメを全世界に配信する米・ネットフリックスに『耳飾りだけでなく、戦犯国である日本の歴史をしっかりと説明』することを求めました」 過去にも韓国では、日本の人気漫画『ワンピース』の原作に旭日旗を思わせるイメージがあるとして同作の作品展が中止になったり、ハンバーガーチェーン「バーガーキング」の包装紙がこれまた旭日旗を連想させるとして、販売中止に追い込まれたことがある。 そうしたなか韓国では、日韓の歴史をテーマにした「反日玩具」が続々登場している。 その一例が釜山に本社を置く1961年創業の玩具メーカー「オックスフォード」が昨年4月に発売したブロック玩具「独立軍ハルビン義挙」だ。「1909年10月26日、中国黒竜江省のハルビン駅で、初代韓国統監の伊藤博文が民族主義者の安重根に暗殺された事件をブロックフィギュア化した玩具です。韓国では歴史的英雄である安の逝去110周年を称えるために昨年販売されました」(平井氏) セット内容は「レゴ」のようなブロックを用いて組み立てる蒸気機関車と5体のフィギュア(人形)一式で、定価は4万5000ウォン(約4300円)。 フィギュアには、ピストルと手榴弾で武装した「独立闘士」と、銃撃を受け苦悶の表情を浮かべる洋装の白髭の男性「ひろぶみ」が含まれている。実名使用を避けているとはいえ、ハルビンでの暗殺シーンが再現されているのは明らかだろう(別掲写真)。 韓国ロッテ系の通販サイトや小売店のおもちゃ売場で販売されており、韓国のネットには、「歴史的瞬間をブロックで再現できた」「子供が喜んだ」という購入者のレビューが散見される。平井氏が続ける。「このブロック玩具は8歳以上が対象ですが、ブロックは400ピース以上で、子供がひとりで作るのは難しいはず。韓国で伊藤は悪の権化とされるので、親子でブロックを組み立てながら、安の“英雄伝”が親から子へ伝えられるのではないでしょうか」 反日玩具は人間だけでなく、動物のおもちゃとしても登場した。 それが「愛犬用アベマスコット」。犬や猫が噛みついて遊ぶマスコットで、片面に安倍晋三・前首相、もう片面に河野太郎・行革担当相(前外相)の似顔絵がプリントされている。「日本の輸出規制に対抗して、2019年に韓国が始めた日本製品不買運動の最中に登場しました。輸出規制をした当時の首相、外相だった安倍氏と河野氏を模した商品で、販売元は『愛国心を高めて笑いを誘い、ストレスを解消する愛犬用マスコット』と謳っています。 すでに生産終了していますが、現在の菅首相と茂木外相は韓国内の知名度が低く“悪役キャラ”として扱いにくいのか、同様の商品は見当たりません」(平井氏) もし、日本のメーカーが韓国大統領をモチーフに同様の商品を作ったら「たかが、おもちゃ」と笑って済まされるだろうか。「相手の立場に立ち膝を交えれば、過去の問題も賢明に解決できる」──3月1日に行なわれた「対日独立運動記念日(三一節)」の式典で、文在寅大統領は冷え切った日韓関係の改善を訴えた。対日融和に舵を切った文在寅氏の「相手の立場に立ち」の言葉がむなしく響く。※週刊ポスト2021年4月2日号
2021.03.19 19:00
週刊ポスト

トピックス

安倍政権の年金改悪路線を引き継いでいる岸田文雄・首相(時事通信フォト)
岸田政権 アベノミクスの見直し打ち出すも、安倍氏の「年金改悪路線」は継承
週刊ポスト
元TBSアナウンサーの林みなほ(オフィシャルサイトより)
元TBS・林みなほアナ離婚、インスタで匂わせていた「貧乳源一郎」との別れ
NEWSポストセブン
高橋真麻
高橋真麻「おでんの卵8個食べても太らない」女性が憧れる美スタイルの理由
NEWSポストセブン
「タレントパワーランキング」で公表された「F1層(20~34歳女性)に人気のタレントランキング」(2021年11月調査)で堂々の1位を獲得
戸田恵梨香、ファン歓喜の「仕事復帰」 夜の路上で輝いたクールビューティー
NEWSポストセブン
眞子さまの箱根旅行のお姿。耳には目立つイヤリングも(2018年)
小室圭さんの妻・眞子さん 華やかだった4年前の「箱根・女子旅ファッション」
NEWSポストセブン
元TBSの林みなほアナ(写真/時事通信フォト)
元TBS林みなほアナが離婚 TBSラジオ名物プロデューサーとの結婚生活は5年あまりでピリオド
NEWSポストセブン
小泉孝太郎 炎上必至の「古風な結婚感」明かすもバッシングされなかった理由
小泉孝太郎 炎上必至の「古風な結婚感」明かすもバッシングされなかった理由
NEWSポストセブン
米ロサンゼルスで警察官となった日本人女性YURI氏
LAポリス・YURIが7年ぶりに見た日本の姿「防犯意識の低さに驚きました」【前編】
NEWSポストセブン
小室圭さんと眞子さん
小室圭さん妻・眞子さんがNYで行きつけのスーパーから見えてきた“妻の気遣い”「日本でいえば『成城石井』」 
NEWSポストセブン
さとう珠緒が「枕営業」などについて語った(写真は2009年)
さとう珠緒が暴露した枕営業の実態「権力のない人のほうが迫ってくる」
NEWSポストセブン
ご体調への不安が募る(写真/JMPA)
雅子さまと愛子さま、“ポツンと一軒家”の孤独感 閉ざされた御所での巣ごもり生活
女性セブン
結婚し、日本メディアが情報をキャッチしづらいNYで、デイリーメールが追跡取材(写真/JMPA)
小室圭さん・眞子さん夫婦が「離婚で終わったとしても…」英デイリー・メールが報じた「茨の道」
NEWSポストセブン