「ご当地やきそば」は、人々のお腹も、心も満たしている。他にもある日本全国のご当地やきそばを紹介しよう。
秋田県の「男鹿しょっつる焼きそば」は、主役は伝統調味料「ハタハタしょっつる」。粉末わかめと昆布だしを練り込んだ特製麺を使い具材も海鮮。海の町を存分にアピールする。同じ東北で戦後から親しまれる黒石やきそば(青森県)は、太平麺をウスターソースで焼く。昭和30年代後半につゆをかける店が登場。魅惑的な味わいだ。
新潟県生まれの「イタリアン」は、昭和35年に新潟市の甘味処「三日月」で生まれた“スパゲティ風”。粉チーズで味付けし、トマトソースをかけて、フォークで食べる。神奈川県の「湯河原坦々やきそば」は、名前から想像がつくように“担々麺風”。練り胡麻や豆板醤を核としたピリ辛味が特徴。地元産レモンや清見オレンジを使う柑橘系、温泉町らしく温玉をのせた温玉系の2派が存在する。
最後に紹介するのは、鳥取県の「鳥取ホルモン焼きソバ」だ。通称・ホルソバ。昭和30年代から愛される味噌味。プリプリのシマチョウやハチノス、ミノなど、様々な部位が使われる。
※週刊ポスト2017年6月16日号