今の巨人には、しっかりしたゲームプランもなければ、人を育てるための戦略も感じられない。それはつまり勝負への執着がないということ。
僕が41歳で二軍の投手コーチになった時は、川上哲治監督から「おまえが二軍で育てた投手を連れて、一緒に一軍へ上がってこい。メジャーではそうやってコーチの勉強をするんだ」と言われたものです。コーチたちがそれぞれ“自前の選手”を育て、一言いえばすぐ分かるような関係を作るべき。そうやってチームが一丸となって勝ちを掴んできた伝統があるんです。
すべてにおいて最善策を探っていくのがベンチの仕事。今は、それができていない。監督のクビをすげ替える前に、よく勉強するコーチ陣に入れ替えたらどうか。
※週刊ポスト2017年6月23日号