捜査員が踏み込んだとき、大坂は水に溶ける特殊な紙の資料を風呂場で溶かして証拠隠滅をはかっているところで、67歳とは思えない素早い動きで捜査員に体当たりしてきたという。
今回の逮捕が世間に衝撃を与えたのは、大坂が46年間も逃亡を続けてきたことだ。なぜそんなことができたのか。新左翼を取材してきたジャーナリストの野村旗守氏はこう答える。
「他人の身分証を借りたり、偽造したりして身元を隠し、潜伏し続ける。中核派OBのなかには、医者や企業経営者などになって成功した人間もいて、逃亡の資金援助をする。組織というより、個人的なつながりで金を集めるので、大物であるほど集まりやすい」
大物であるほど、長期の逃亡が可能になるという。
中核派とともに新左翼の一角をなした革マル派にもニュースがあった。今年1月10日、警視庁と神奈川県警は東京・葛飾区にある革マル派のアジトを家宅捜索したところ、革マル派のトップ、植田琢磨議長の本名が「新田寛」で、年齢が70歳であることが判明した。1996年に議長を引き継いで以来、植田の「本名」と「年齢」は長年、謎とされていたのだ。別の公安関係者はこう言う。