芸能

又吉直樹が小学生の頃『無縁坂』を聴いて涙した理由

又吉直樹とさだまさしの接点は?

 累計300万部突破の芥川賞作『火花』に続き、小説2作目『劇場』も好調な売れ行きが続くお笑い芸人の又吉直樹。その又吉が『劇場』と同じ時期に書き下ろした「もう一つの意欲作」が出版関係者の間で話題となっている。

「執筆はちょうど『劇場』の締め切りに近い頃だと思いますが、又吉さんはさだまさしさんの小説に解説を書き下ろしました。今や作家としてだけでなく、本の目利きとしても評判の又吉さんは、帯文はたくさん書いていますが、解説の書き下ろしとなると、芥川賞受賞後は初めてのことだそうです」(出版関係者)

 先日、出演したバラエティ番組で、「本の帯に推薦文を書きすぎて先輩から苦情を受けた」とのエピソードを明かした又吉。西加奈子氏や平野啓一郎氏、村田沙耶香氏ら名だたる作家の作品にも多数推薦文を書いている。しかし、短い推薦文に比べ、解説を書くとなると、そう簡単な作業ではない。

 いったいどのような内容なのか。又吉が解説を書いたのは、6月上旬に発売された、さだの『ちゃんぽん食べたかっ!』(上下巻)。さだの自伝的青春小説で、長崎で天才と称されたヴァイオリン少年が単身上京し、挫折の上、故郷へ逃げ帰り、意外な道を歩み始めるという物語だ。同作の第一印象について、又吉はこう書いている(以下〈〉内は同作「解説」より)。
 
〈読み終えたときに僕の胸に満ちたのは、「いろいろあるけど、世界っていいものだなぁ」という、言葉にすると漠然としてしまうのだけれど、たしかなぬくもりと優しさがもたらしてくれた心地のいい感覚だった。このぬくもりと優しさは、そのままさだまさしさんが過去を振り返るときの、あるいは誰かと接するときの眼差しなのだと思う〉

 自伝的小説であるがゆえに、又吉は同作がもたらす「ぬくもりと優しさ」は、さだ自身の過去を振り返るときの眼差しに依拠していると分析。さらに自伝について、こう持論を展開している。

〈世の中を憎んでいる人が自伝を書けば世界に対する呪いのようなものができるかもしれないし、変態が自伝を書けば目にした街の風景や手にしたコーヒーカップでさえもエロチックに描かれるかもしれない。その人の人生に何が起こったのかということと同じくらい、その人が世界を見ている視点が自伝には反映される〉

関連キーワード

関連記事

トピックス

レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
フリー転身を発表した遠野なぎこ(本人instagramより)
《訃報》「生きづらさ感じる人に寄り添う」遠野なぎこさんが逝去、フリー転向で語っていた“病のリアルを伝えたい”真摯な思い
NEWSポストセブン
なぜ蓮舫氏は東京から再出馬しなかったのか
蓮舫氏の参院選「比例」出馬の背景に“女の戦い”か 東京選挙区・立民の塩村文夏氏は「お世話になっている。蓮舫さんに返ってきてほしい」
NEWSポストセブン
泉房穂氏(左)が「潜水艦作戦」をするのは立花孝志候補を避けるため?
参院選・泉房穂氏が異例の「潜水艦作戦」 NHK党・立花孝志氏の批判かわす狙い? 陣営スタッフは「違います」と回答「予定は事務所も完全に把握していない」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《真美子さんの艶やかな黒髪》レッドカーペット直前にヘアサロンで見せていた「モデルとしての表情」鏡を真剣に見つめて…【大谷翔平と手を繋いで登壇】
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《永瀬廉と浜辺美波のアツアツデート現場》「安く見積もっても5万円」「食べログ予約もできる」高級鉄板焼き屋で“丸ごと貸し切りディナー”
NEWSポストセブン
誕生日を迎えた大谷翔平と子連れ観戦する真美子夫人(写真左/AFLO、写真右/時事通信フォト)
《家族の応援が何よりのプレゼント》大谷翔平のバースデー登板を真美子夫人が子連れ観戦、試合後は即帰宅せず球場で家族水入らずの時間を満喫
女性セブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《永瀬廉と全身黒のリンクコーデデート》浜辺美波、プライベートで見せていた“ダル着私服のギャップ”「2万7500円のジャージ風ジャケット、足元はリカバリーサンダル」
NEWSポストセブン
6月13日、航空会社『エア・インディア』の旅客機が墜落し乗客1名を除いた241名が死亡した(時事通信フォト/Xより)
《エア・インディア墜落の原因は》「なぜスイッチをオフにした?」調査報告書で明かされた事故直前の“パイロットの会話”と機長が抱えていた“精神衛生上の問題”【260名が死亡】
NEWSポストセブン
亡くなった三浦春馬さんと「みたままつり」の提灯
《三浦春馬が今年も靖国に》『永遠の0』から続く縁…“春友”が灯す数多くの提灯と広がる思い「生きた証を風化させない」
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《タクシーで自宅マンションへ》永瀬廉と浜辺美波“ノーマスク”で見えた信頼感「追いかけたい」「知性を感じたい」…合致する恋愛観
NEWSポストセブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《産後とは思えない》真美子さん「背中がざっくり開いたドレスの着こなし」は努力の賜物…目撃されていた「白パーカー私服での外出姿」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン