男性脳(上)は縦に深い連携、女性脳(下)は横の連携が強い(出典:Proc Natl Acad Sci U S A. 2014 Jan 14; 111: 823-828)


「女性にとっては、遠くに意識を向ける男性が“注意力散漫。私に集中していない”“愛が足りない”と映ってしまうのです。また、種の保存のために自己保存の本能を持つ女性は、男性が持つ、妻や恋人をも特別視しない公平性に“私を大事にしない”“味方をしてくれない”と腹立たしさを感じるのです」

 3つ目は右左脳連携の違い。女性脳は右左脳連携信号(横の信号)を頻繁に使う。「感じる領域」の右脳と、「言葉を紡ぐ領域」である左脳の連携が非常によいため、察する天才であり、状況の変化に応じて動ける臨機応変力を持つ。

「半径3m以内で家事、育児とタスクが多重に重なりあう“家庭”も、男性脳にとって認知しにくい空間です。男性は、女性が無意識に認知している3分の1しか認知していないので、女性と同じ量のタスクをこなそうとすると3倍のストレスにさらされることを女性の側は知っておきたいですね。

 逆に男性に知っておいてほしいことがあります。体内で命を育む哺乳類のメスは自らが健康で快適な状態でないと子孫が残せませんから、自己保全のための我の強さは最も大切な本能のひとつ。男性の何十倍も体調に敏感で、女性が自分の“快”を優先して、寒い暑いと騒ぎ、おなかがすいたら不機嫌に、足が痛ければ歩けないのも、わがままなのではなく“自分の快適さ”への責任が男性より重いからなのです」

◆男が女の機嫌を損ねるわけ

「なんでわかってくれないの?」「仕事と私どっちが大事なの?」など、女性の機嫌の損ね方には類型があるという。

「相手にわかりやすいように不機嫌を見せているため、バリエーションは少ないですが、男性からすると、なぜ不機嫌かわからないっていうことが起こりますよね。そのきっかけとなる事象は千差万別ですが、要は、男性と女性では脳の動きが違うので、女性脳という装置の操作に失敗したということです。男性も女性も自分の脳と同じように操作しようとするから失敗し、お互いに理解ができないんです」

 女性が不機嫌になる理由はさまざまあっても、解消する方法はひとつ。それは「共感すること」だという。

「簡単に言えば、女性脳にとって“共感”という行為は大事な入力情報で、共感によって脳の機能スイッチをオン・オフすることができるんです。共感によって話を進めてもらえば、何が真実かという演算が円滑に動くし、不安を口にしたときに共感してもらえれば、不安によって起こった余剰なストレス信号がオフにできる。要は“共感すること”が肝なんです」

◆優秀な男性脳ほど機嫌を損ねる

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン