小笠原:介護保険がなかったら、独居の看取りができなかったわけだから、ぼくは日本の介護保険制度は素晴らしいと思っていますよ。
上野:そうでしょう。でも、それをはっきりおっしゃるかたは、そんなに多くないんです。多くのかたは、介護保険に批判的で。
小笠原:そうなんですか?
上野:はい。
小笠原:それは、多分こういうことなんじゃないでしょうか。介護保険ができてから在宅医療をやり始めた人は、“ある”のが前提だから、あれもこれも必要だと思うのかもしれない。けれどもぼくは、介護保険がない時代から在宅医療で苦労してきているので、なんてありがたい制度かと思うんですよね。
上野:私も「介護保険さまさま」だと思っています。
小笠原:介護保険がなかったら、在宅医療は進まないですよ。
上野:それを、はっきりきっぱり言っていただいて、とてもうれしい。介護保険制度はぜひ続けてもらいたいですね。絶対に後退させちゃいけません。
※小笠原文雄先生が7月17日、「なんとめでたいご臨終の迎え方」をテーマに、東京・小学館で講演会を開催。
詳細はhttps://sho-cul.comへ。
※女性セブン2017年7月20日号