東京・新橋で活版印刷や特殊印刷を手掛ける河内屋は、8月よりメモ帳やノートなど「KUNISAWA」ブランドの高級文具を販売する予定だ。中でも、側面に金箔を貼りつけた天金加工のノートはA5版で何と3000円。もはや使い捨てにはできない代物だ。いったいどんなユーザーや用途を想定しているのか。
「主に男性ビジネスマンが他社との打ち合わせや大事な商談の時などに使ってほしいと思います。天金加工を施しているといっても、ベースの色は黒やグレーと派手ではないので、さりげなくインパクトを出せるノートです。
男性は持ち物によって相手に与える印象が随分変わります。ノートといえども消耗品にまで気を配っていることが伝われば、得意先とのコミュニケーションや仕事がスムーズに進むかもしれませんしね。そんな、こだわり派ビジネスマンの“お助けアイテム”になってくれれば嬉しいです」(同社クリエイティブディレクター)
ちなみに、同ブランドには付箋メモ(900円)やメモカバー、ペンケース、カードケースなども揃っているため、「気の利いたプレゼントにも最適」(前出ディレクター)と話す。
その他、文具展では細かなアイデアで使い勝手を重視したノートも見られた。
独創的なデジタル文具で定評のあるキングジムは、手がリングに触れて書きにくいリングノートのデメリットを解消すべく、中央のリングを外しただけの、その名も「リングノート テフレーヌ」(A5/税抜480円)を販売中。広報担当者によれば反響は上々だという。
また、こんな“変わり種ノート”も。横書き罫線ノートの各ページ上部中央に「V」マークがついている「iha-note wiper」と名付けられたこのノートは、マーク表記だけで特許まで取っているという。
「横書きをするとき、ノートを無意識に左右に傾けて書いている人は多いですよね。ペンの持ち方や体の軸のタイプによってはそのほうが楽な場合もあります。そこで、肩あるいは肘に合わせて斜め置きしやすいように『V』マークをつけました」(伊葉ブランドの開発者)
たかがノート、されどノートな逸品の数々。ますます紙離れが進む中、文具の必須アイテムとして再び存在感を表すことができるか。