下村氏は前回総選挙で圧勝(約13万票)した“大物”とはいえ、小池新党が国政に進出して次の総選挙で刺客候補を立てた場合、選挙運動の手足となってきた都議2人を失ったうえ、スキャンダルを抱えて有権者に落選運動の“標的”とされればひとたまりもない。
萩生田氏は2009年総選挙で落選後、加計学園が経営する千葉科学大学の客員教授(現在も名誉客員教授)として「月額約10万円」とされる給料を得ていた。落選議員が後援者などの経営する大学の客員教授に就任することは政界では珍しくない。
しかし、内閣府や文科省の文書によると、萩生田氏は獣医学部認可の条件に、加計学園に有利になる文言を加筆したり、「総理は『平成30年4月開学』とおしりを切っていた」などと発言していた記録が残されている。当の萩生田氏は記者会見をキャンセルして説明責任から逃げた。この一事だけで有権者に「国政を担うに能わざる」とみなされても仕方あるまい。
萩生田氏の地元・八王子市は都議選の得票で自民党(約4万9000票)が、都民ファースト(約8万1000票)にダブルスコアをつけられた。次期総選挙で“落選危機”の土壇場に立たされるだろう。
※週刊ポスト2017年7月21・28日号