米どころ、新潟。田んぼに整然と並んだ稲の合間を、まるでゴールを目指す水泳選手のように泳いでくるアイガモたち。
「どうも、ピーちゃんズです! 無農薬の米作りでもいろんな除草方法があるけど、雑草だけでなく、害虫もやっつけちゃうのはアイガモだけじゃないかねや?」
上越市の農家金谷さんは、約400羽のアイガモをパートナーにして有機栽培米を作っている。
「アイガモは雑草を食べる草食系って思われてるけど、オトナになる前はけっこう肉食系で、稲の大敵、イナゴやイネミズゾウムシなんかの虫が好物なんだ」
また、アイガモが泳ぐことによって田んぼの泥がかき混ぜられる効果も。
「有機物が分解されっときに出るガスが溜まらんすけ、稲が健康で丈夫に育つし、雑草が根付かない。そして、かわいい(笑い)」
金谷さんのところでは50アールを一区画とし、ここに70羽ほどのアイガモを放している。
「初めて田んぼにつんて来られたときは、めっちゃ広いし、ご馳走がいっぱいあるし、こりゃあこたえさんないとこだと思ったよ!」
彼らの仕事は7月の中旬くらいまで。
「そのあとはお天道さまがうめぇお米にしてくれるんだ」
【プロフィール】
名前:ピーちゃんズ ♂♀
年齢:0歳
種類:アイガモ
勤務先:有機栽培米の金谷農場
職種:害虫・雑草駆除
主な仕事内容:無農薬の田んぼの害虫駆除と、雑草の除草。
お給料:鶏のエサ。
好きなこと:ぽかぽか陽気の日、のどかな田んぼをのんびり泳ぐこと。
嫌いなこと:雨が続くこと。羽根が乾かなくて寒いの…。
現在の悩み:空からはトンビやカラス、農道や畦からはキツネが狙っていること。気配を感じるだけですごく怖い!!
将来の夢:田んぼを見た人が「えっ、農薬使ってないの!?」ってびっくりするくらいキレイにして、おいしいお米をたくさん食べてもらいたいなぁ。
撮影/山口規子
※女性セブン2017年7月20日号