「ところが後に調べたら、切除より負担の軽い『縮小手術』を行なうことが可能だったそうです。セカンド医師が過去に大学病院で主治医と師弟関係にあり、その配慮から主治医と同じ治療を勧めたのではないかと考えられます」(油井氏)
出身大学だけでなく、診療科にも気を遣いたい。主治医と同じ診療科だと治療方針が重なってしまうことが多い。
「外科系の医師は手術を勧めるケースが多く、内科系の医師は薬物治療に傾倒しがちなので、SOは主治医と違う診療科の医師に求めると選択肢が広がる。多様ながんを診ていて幅広い知識がある病理医や放射線科医は中立的な診断をするのでSOに向いています」(油井氏)
前立腺がんを患った60代男性が振り返る。
「外科専門医の主治医から手術を勧められたが、SOの放射線科専門医は切らずに治せる放射線療法があると教えられ、治療の選択肢が広がりました」
この男性は負担の大きな手術を回避して現在も治療を続けながら、元気に過ごしている。セカンド医師の紹介を主治医に頼む際は、「別の出身大学・別の診療科」とリクエストするとよいかもしれない。
また、主治医から「あなたのがんは手術できない」と診断された場合にSOに選ぶ病院の基準については、手術ができない状態であれば、「放射線治療」「温熱治療」「抗がん剤治療」などの設備や緩和ケアが充実しているがん専門病院のほうが選択肢が広がるため、SO先にリクエストしたい。